賃貸住宅オーナー様向け情報

2018.8.15
賃貸経営ニュースダイジェスト

マンション管理業者への全国立入検査、145社中55社に是正指導

 国土交通省は7月30日、平成29年度の「マンション管理業者への全国一斉立入検査」の結果を公表しました。それによれば、昨年度に続き重要事項の説明や契約の成立時の書面の交付など5つの重要項目を中心に、全国145社に実施、うち55社に対し是正指導を行ったということです。過去5年間の平均41.3%を3.4ポイント下回ったものの、管理組合財産の分別管理方法など、省令改正(2009年5月)による制度改正への理解不足が依然として見られるとしています。

■是正指導社数(重複該当あり)

  • 管理業務主任者の設置(第56条関係):4社(4社)
  • 重要事項の説明等(第72条関係):34社(15社)
  • 契約の成立時の書面の交付(第73条関係:)27社(25社)
  • 財産の分別管理(第76条関係):18社(2社)
  • 管理事務の報告(第77条関係):17社(17社)

※カッコ書きは2009年5月の省令改正による制度改正に係る違反を除いたもの。

■是正指導事項別の傾向及び今後の対応策
 是正指導事項別の指導業者件数は、「重要事項の説明等」が最も多く、次いで「契約の成立時の書面の交付」「財産の分別管理」「管理事務の報告」「管理業務主任者の設置」の順となっています。
 また、是正指導事項別の指導率を昨年度の結果と比較してみると、「重要事項の説明等」(23.4%<昨年度36.2%>)、「契約の成立時の書面の交付」(18.6%<20.6%>)など、他の項目についてもおおむね減少傾向になっています。

地場の不動産店から見た「金融機関の貸出態度」

■住宅ローン「前年並み」、アパートローン「やや厳しい」
 アットホームは8月3日に公表した 「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2018年4~6月期)の中で、今期のピックアップとして「地場の不動産店から見た金融機関の貸出態度」の調査結果を紹介しました。結果は、北海道を始めとした調査14エリアのいずれでも、住宅ローンがほぼ「前年並み」であるのに対し、アパートローンは「やや厳しい」となり、貸出態度に大きな違いが生じていました。

■今期(2018年4~6月期)、アットホーム調べ
 この調査は、地場の不動産店から見た今期(2018年4~6月期)の金融機関の貸出態度を聞いたもので、「地場の不動産仲介業における景況感調査」と同様に、全国14エリアにつて実施しました。
 住宅ローン、アパートローンそれぞれについて前年同期と比べ、「厳しい」「やや厳しい」「前年並み」「やや緩い」「緩い」の5段階の選択肢から、回答店舗の判断に最も近い番号を選択してもらい、エリア別に集計し、加重平均しました。

■調査結果の概要(発表資料)
●金融緩和の影響が続き、住宅ローンの貸出態度は「前年並み」
 住宅ローンについては多くのエリアで前年並みとなっている。
 不動産店からは「今までだとなかなか融資が下りなかった方も下りやすくなったり、条件も少なくなったり、金利もかなり優遇されるようになった」「金利は安くなっているのでお客様の属性次第では融資を受けられているイメージ」「低金利のため、低所得でも融資可能な金融機関が増えたように思われる」「年々審査が緩くなっているような印象を受けるが、毎年のことなので変わらない印象を受ける」といったコメントが寄せられており、金融緩和の影響が続いている様子がうかがえる。

●アパートローンの貸出態度は厳しい傾向、不正融資事件の影響を指摘する声が多数
  アパートローンの貸出態度は、全エリアで「やや厳しい」に近い結果が出ており、住宅ローンとの比較でも相対的に厳しくなっている。
 不動産店のコメントも「スルガ銀行の書類改ざん問題でより一層、各金融機関での投資融資が厳しくなってきている」「かぼちゃの馬車などのシェアハウス企業の倒産などあり銀行の融資審査が厳しくなった印象がある」「俗に言うサラリーマン大家への融資の引き締めが強い」など、「スルガ銀行」「かぼちゃの馬車」「シェアハウス」といったキーワードがエリアを問わず頻出しており、4月に起きた不正融資事件が早くも貸出態度に影響を及ぼしているようだ。

●業況と貸出態度に有意な相関関係は見られなかった
 なお、賃貸や売買の業況と住宅・アパートローンの貸出態度についても関係を分析したが、いずれも有意な相関は見られなかった。


【14エリアにおける金融機関の貸出態度】



戸建て(含アパート)供給、2017年度は0.2%減の32.7万戸、大東建託が首位

 市場経済研究所と不動産経済研究所は7月31日、「全国住宅・マンション供給調査-2019年版」をまとめました。これによれば、2017年度の戸建て(アパートを含む)は0.2%減の32.7万戸となり、各社供給戸数では大東建託が首位。マンション供給は2.8%増の6.9万戸で、各社供給戸数では住友と野村がトップで並びました。

■マンション供給は2.8%増の6.9万戸、住友と野村が首位並ぶ
 この調査は今回が19回目。5月初旬から6月上旬にかけ、全国の戸建て・マンション建設の主要企業に調査票を送り、2017年度の建築実績と2018年度の販売計画をアンケート方式で聞きました。有効回答企業数は戸建て関連が171社、マンション関連が105社。

●戸建て(アパートを含む)
①概況

  • 有効回答164社の2017年度の供給戸数は前年度比0.2%減の32万6,805戸となった。
  • うち、ランキング1~10位の企業(10社)の合計供給戸数は24万3,588戸となった。
  • 2018年度の供給計画戸数は145社合計で、4.0%増の26万4,210戸となった。


②住宅メーカーへの意識調査結果

  • 2018年度の新設住宅着工見込みは「190万~95万戸」が29.2%と最多になった。
  • 地価は「三大都市圏で上昇」と見る割合が59.1%を占めてトップ。
  • 住宅着工の活性化に効果のある施策は「住宅ローン控除の強化」「魅力ある商品の開発」「雇用不安の解消」の順で多かった。
  • 今後重視される住宅は「省エネ」「エコ」が1、2位となった。



●マンション
①概況

  • 有効回答97社の2017年度の合計供給戸数は2.8%増の6万9,057戸となった。
  • ランキング1~10位(10社)の企業の合計供給戸数は3万2, 949戸となった。
  • 2018年度の供給計画戸数は86社合計で3.3%増の6万7, 487戸となった。


②マンションデベロッパーへの意識調査の結果

  • 2018年度の新設マンション着工見込みは「10万~12万戸」が77.8%で最多になった。
  • 地価は「三大都市圏で上昇」が67.0%でトップ。
  • 住宅面積、価格、購買者の態度は「前年度並み」が最も多いものの、価格は「高くする」が39.5%と相変わらず高水準。



国交省、「2030年を目途とする今後の不動産のあり方」とりまとめ

 国土交通省は、昨年12月に設置した「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」での議論を受け、7月24日に「2030年を目途とする今後の不動産のあり方」をとりまとめました。先駆的な取り組みを進めている民間企業へのヒアリングなどをもとに検討。ここで、示した「次代の不動産」が広く展開されるよう提言しています。

■時間・場所から解放され、「オフィス・住まい・まち」の調和ある発展を
 とりまとめは、社会情勢の変化に対応した不動産市場を発展・確保していくには、社会全体で日本社会のあるべき方向性を認識し、その実現を支える不動産の形成に努めていくことが重要であると指摘。
 そのうえで、2030年ごろのあり方として、人々が時間的・場所的制約から解放されて活動し休息する「真に人に優しい不動産」を目指し、「オフィス」「住まい」「まち」それぞれが調和ある発展を目指していくよう提言しています。

■住まいのこれから…IoT住宅化、テレワーク、ワークスペース、育住近接など
 それらを集約した「2030年ごろを見据えた不動産像」では、オフィス、まちとともにあるべき住まいの具体像を、快適・利便、健康・医療、省エネ・環境、安全・安心、エリア価値の維持・向上という5側面から分析。
 快適・利便面からは、IoT住宅で空調等を最適化、テレワークのための通信環境、働く「場」としての機能確保(書斎、通信、セキュリティ等)、マンションの共有部をリノベーションしたワークスペース、スタディールーム、リビングにおけるワークスペースの設置(リビ充)、育住近接(共同住宅内への保育所設置等)、宅配受取ポスト、電気自動車への対応(充電設備)を提言しています。

【2030年頃を見据えたこれからの不動産像】

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