賃貸住宅オーナー様向け情報

2020.7.1
賃貸経営ニュースダイジェスト

2020年版の土地白書を閣議決定

 令和2年版の土地白書が本日6月16日に閣議決定されました。人口減少社会における土地の利用と管理に係る取組等と、土地基本法等の改正と土地基本方針に基づく総合的土地政策について取り上げています。

「土地は預貯金や株式に比べて有利」は低下傾向

 白書は、土地を巡る現状について次のように紹介しています。

  • 住宅地・商業地とも全国平均で上昇が継続。特に、主要四市以外の地方圏でも商業地が28年ぶりに上昇。

地価の変動


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  • 東京(都心5区)、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡の各都市の空室率が低水準で推移。
  • 「土地は預貯金や株式などに比べて有利」とする割合が低下傾向。

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  • 「土地を所有したくない」とする割合は約3割。その理由は「費用や手間がかかる」と「使い道がないから」で5割以上。

全宅連、感染拡大防止と事業本格化に向け「チェックリスト案」作成

 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)・不動産総合研究所は、新型コロナ緊急事態宣言解除後のさらなる感染拡大防止と事業の本格的な再開に向けて、不動産会社として実施すべき対策をまとめた「チェックリスト案」(社内体制と仲介実務対応項目)を作成し、6月1日に公表しました。同時に、ポスター案も作成しました。

社内体制…7項目、自社の努力を消費者にアピールも

 チェックリストは、社内体制については「宣言解除後も新型コロナの終息までには長期間を要する。経営者や店長など事務所の責任者は引き続き、従業員や顧客への感染防止に努め、『三つの密』が生じクラスター感染発生リスクが高くなる状況を回避するため、どう対応を講じることができるか検討する必要がある」と指摘。
 同時に、「自社がどのような対策に努めているのかが消費者に分かるよう、店頭へのポスター掲示、自社ホームページやSNSなどで情報発信することが有効である」とアドバイスをしています。
 チェック項目は、次の7項目でそれぞれについてポイントを紹介しています。

  1. 感染防止の3つの基本の徹底
  2. 従業員の健康確保
  3. 感染拡大防止のための勤務体制
  4. 顧客対応の基本行動
  5. 換気の徹底
  6. 衛生管理
  7. 感染防止体制の周知

仲介業務…7シーン、消費者行動の変化にも配慮を

 一方、仲介業務上のチェック項目については「専門家会議が5月4日に新型コロナ対応『新しい生活様式』の実践例を提示したが、消費者の消費行動やニーズは今後この生活様式の影響で少なからず変容すると想定される。特に、対面を避けるという消費者ニーズに対応できるよう、業務の進め方を想定しておく必要がある」「一方で、非対面化が難しい業務は、スケジュールや業務手順などを整理したうえで効率的に行えるよう心がけたい」と呼びかけています。
 チェック項目は次の7シーンについて、ポイントを紹介しています。

  1. 査定実査
  2. 媒介契約
  3. 募集・広告
  4. 店舗接客
  5. 現地案内
  6. 重説・契約・ローン実行
  7. 引き渡し
■詳しくはこちら→PDF「全宅連チェックリスト」

賃貸住宅管理業務適正化法が成立、1年以内に施行(行為規制は6カ月後)

 賃貸住宅管理業における登録制度の創設と、サブリース業者(特定転貸事業者)・オーナー間契約の適正化を狙いとした新法「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が6月12日に成立しました。成立後1年以内に施行され、うちサブリースに関する行為規制は6カ月以内に施行されます。

登録を義務付け、「業務管理者」必置

 賃貸住宅管理業についてはこれまで任意の登録制度がありましたが、これとは別に新たに設ける登録制度は、管理戸数が一定規模(たとえば200戸未満など)に満たない事業者以外は全て義務付けとなります。
 そして、登録事業者には、管理業務を管理・監督する「業務管理者」を事務所ごとに置くくことが義務付けられます。業務管理者は、「賃貸住宅管理に関する一定の実務経験等を有する資格者」とし、具体的には賃貸不動産経営管理士や宅地建物取引士などのうち、一定の講習を受講した者が想定されています。

管理業務を適正化、行政処分・罰則適用も

 一方、管理業務などの適正化に向けては、①家賃支払いや契約変更などについて著しく事実に相違する表示、実際よりも著しく優良・有利であると誤認させる広告表示を禁止、②特定賃貸借契約(マスターリース契約)の勧誘時に、家賃減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げず、または不実(うそ)を告げる行為を禁止、③マスターリース契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面をオーナーに交付して説明する(重説)…などを義務化。
 違反したものは業務停止処分や罰則が設けられました。また、こした規制はサブリース業者だけでなく、建設業者などサブリース業者と組んで勧誘するものも適用されます。

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の概要

賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度の創設
(1)賃貸住宅管理業の登録(法律第3条)
  • 委託を受けて賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を義務付け。
    ※管理戸数が一定規模未満の者は対象外。
    ※5年ごとに更新。
(2)賃貸住宅管理業者の業務における義務付け(法第10条〜第27条)

①業務管理者の配置(第12条)

  • 事務所ごとに、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配置。
    ※業務管理者が欠けた状態では管理受託契約を締結してはならない。

 業務管理者の役割
  以下の管理・監督の事務を行う
 ・管理受託契約の内容の明確性
 ・賃貸住宅の維持保全の実施方法の妥当性
 ・入居者の居住安定の確保
 ・賃貸に係る事業の円滑な実施の確保 等
  *業務管理者の要件:賃貸管理業の一定の実務の経験を持った賃貸不動産経営管理士等
  →宅地建物取引士を含む(国土交通省令で別途定める)

②管理受託契約締結前の重要事項の説明(第13条、第14条)

  • 具体的な管理業務の内容・実施方法等を、書面を交付して説明。

③財産の分別管理(第16条)

  • 管理する家賃等は、自己の固有の財産等と分別して管理。

④定期報告(第20条)

  • 業務の実施状況等を、管理受託契約の相手方に定期的に報告。
特定賃貸借契約の適正化のための措置等(法第28条~第36条)
  • サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営の勧誘を行う者(勧誘者)も、規制の対象。
  • 違反者には、業務停止命令や罰金等の措置。
(1) 誇大広告等の禁止(第28条)
  • サブリース業者・勧誘者が特定賃貸借契約(マスターリース契約)の条件を広告するとき、以下の事項について著しく事実に相違する表示、実際よりも著しく優良である等誤認させる表示を禁止。

    ・サブリース業者が支払うべき家賃
    ・賃貸住宅の維持保全の実施方法
    ・特定賃貸借契約の解除に関する事項など
(2)不当な勧誘行為の禁止(第29条)
  • サブリース業者・勧誘者による特定賃貸借契約(マスターリース契約)勧誘時に、家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項を故意に事実を告げず、または不実を告げる行為を禁止。
(3)特定賃貸借契約締結前の重要事項説明(第30条、第31条)
  • マスターリース契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面を交付して説明。

 施行日(法律附則第1条、第2条)
  賃貸住宅管理業登録制度:公布の日から1年以内
  特定賃貸借契約の適正化のための措置:公布の日から6カ月以内
  ※経過措置:施行日より1年間

日管協、「新しい生活様式を踏まえた業務指針」を公表

 (公財)日本賃貸住宅管理協会は5月28日、賃貸住宅管理業者向けの「新しい生活様式を踏まえた業務指針」を公表しました。国土交通省が発表した不動産業ガイドライン(5月20日版)を参考に、賃貸住宅管理業者向けに作成したもので、アフター新型コロナに備え、合わせて「新型コロナウイルス予防対策実施中ポスター」と「事業再開チェックリスト」も作成し、活用を勧めています。

「事業再開チェックリスト」「予防対策実施中ポスター」も作成

 この指針は荻野政男理事(イチイ)の協力を得て作成。指針をベースに、自社に合うよう適宜加筆修正のうえ活用するよう進めています。そのうえで、「本指針に基づき対策を実施していることをお客様に示せば、安心の提供にもつながる」とアピールしています。

業務指針…クラスター感染回避に最大限の対策を

 業務指針は、①はじめに、②感染防止のための基本的な考え方、③講じるべき具体的な対策で構成。具体的な対策では、次の11項目について講じるべき対策のポイントを紹介しています。
 「はじめに」では、「ガイドラインに示された『感染防止のための基本的な考え方』と『講じるべき具体的な対策』を踏まえ、取引現場等の態様等を考慮し創意工夫しながら、感染予防に取り組むよう努めていただきたい」「自らの事務所、案内所等や取引現場の感染予防対策にとどまらず、情報の提供・共有等を通じ、一般消費者や取引先事業者、貸主等の感染拡大防止対策の支援に積極的に貢献していくようお願いしたい」と要請。
 「感染防止の基本的な考え方」については、「とくに、従業員や接客する一般消費者への感染を防止するよう努めるものとする。このため、『三つの密』が生じクラスター感染も発生リスクの高い状況を回避することに最大限の対策を講じる」よう求めています。

  1. 感染予防対策の体制整備
  2. 健康の確保
  3. 勤務・通勤形態
  4. 事務所等における勤務
  5. 休憩・休息スペース
  6. トイレ
  7. 設備・器具
  8. 従業員に対する感染防止策への啓発等
  9. 感染者が確認された場合の対応
  10. 事務所等における顧客との対応
  11. 取引物件の対象となる現場での対応

事業再開チェックリスト、「お客様に安心を提供」も大きな目的

 一方、「事業再開チェックリスト」は、目的を「自社の事務所・店舗を安全に再開し、従業員が安心して働ける環境を提供し、それを継続させること」とともに、「来店されるお客様が、心理的に安心して来店していただける店舗体制になっているか」においていることがポイント。  これを踏まえて、「再開チェックリスト」には、自社が行うべき項目には“お客様目線”を反映した箇所もあります。

再開チェックのポイント

  • 営業店舗再開チェックリスト
  • 事業再開チェックリスト
    ・従業員の出勤退勤関係
    ・事務所店舗内の対応関係
    ・在宅勤務使用時の物品持込関係
    ・事務所店舗設備品への対応関係
    ・お客様との社会的距離の対応関係
    ・入居者への対応関係
    ・オーナーへの対応関係
     →営業店や事務所の営業状態を報告
     →営業再開の相談
     →リモートワーク導入によるITやWEBの変更事項の相談と報告
     →家賃の遅延や延納申し出に対するオーナーへの相談
     →賃貸物件の消毒に関する実施や費用負担に関する相談
     →国や都道府県の施策による家賃補助等の取扱いによる相談
     →新規物件の募集に関する相談
  • 再開の基本条件
  • 次の波に備える
  • まとめ

国土交通省、「不動産・建設経済局」を新設

 国土交通省は6月16日、「不動産・建設経済局」を新設する「国土交通省組織令の一部を改正する政令」(7月1日施行)を同日に閣議決定したと発表しました。不動産業・建設産業・土地の3政策分野で、市場原理では十分に調整されない社会問題の解決に取り組むとともに、国土インフラストックが適切に利用・管理される環境を構築するの目的、としています。

今回の組織再編の概要

不動産・建設経済局の新設

 近年、人口減少社会等の社会経済情勢の著しい変化が生じる中、土地・建設産業局が所掌する「不動産業政策」「建設産業政策」「土地政策」の3つの政策分野で、市場原理では十分に調整されない社会問題の解決に取り組むとともに、国土インフラストックが適切に利用・管理される環境を構築するために、土地・建設産業局の再編・強化を行い、不動産・建設経済局を新設。

土地政策審議官の新設

 人口減少の本格化、高齢化に伴う相続の大量発生、都市への人口集中等を背景とした所有者不明土地や管理不全土地の増加に伴う周辺環境への悪影響、外部不経済の問題に早急に対応するため、大臣官房に土地政策審議官を新設。

大臣官房に置く審議官数の変更

 建物及び宅地の建設から流通までの総合的なシステムを大局的に把握する観点から、国土交通省行政全体に関係する政策に、省の内外を問わずハイレベルな調整・連携を実施するため、大臣官房に置かれる審議官を1人追加。

大臣官房に置く参事官数の変更

 海外における新幹線システムの円滑な導入に向け、相手国とのハイレベルな調整を行うため、大臣官房に置かれる参事官を1人追加。

民泊物件数、2020年3月末で129,446件に増加

 観光庁は6月16日、住宅宿泊仲介業者等が取り扱う民泊物件数が2020年3月末時点でに延べ129,446件になったと発表しました。住宅宿泊事業法の施行時点(2018年6月15日)からは104,508件の増加、この半年間では32,798件の増加となります。

法施行時以降10.5万件も増える

 6月11日時点の住宅宿泊事業の届出件数は26,224件で、法施行日時点の約11.9倍となりました。住宅宿泊事業法の施行から2年が経過しましたが、取扱件数、届出件数ともに順調に増え続けています。
 住宅宿泊仲介業者等は、住宅宿泊仲介業者が80社(海外事業者:15社、国内事業者:65社)、同事業法に基づく届出住宅の取り扱いがある旅行業者5社(全て国内事業者)で、計85社。

削除・修正要請は1,043件に

 観光庁によれば、住宅宿泊仲介業者等から提出された物件と適法物件のデータベースとの確認を行っており、物件の所在地が不正確なもの、廃業済みのもの、観光庁が保有するデータベースの情報と一致しないものなど、適正な届出、許可が確認できない物件が1,043件確認されています。
 これらについては、住宅宿泊仲介業者等に速やかな削除や修正を要請しており、今後も関係省庁や関係自治体とも連携し、健全な民泊の全国的な普及に努めていくとしています。

住宅宿泊仲介業者取扱民泊物件の内訳


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