賃貸住宅オーナー様向け情報

2021.9.15
賃貸経営ニュースダイジェスト

6月期の賃貸住宅市場レポート

 タスは8月31日、2021年6月期の賃貸住宅市場レポートを公表しました。首都圏、関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標の賃貸住宅指標は次の通りです。第1回目の緊急事態宣言の影響で異常値が見られた2020年4月、5月のデータを補正し、再計算されています。


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8月「TDB景気動向調査」、個人消費関連大きく落ち込む

 帝国データバンク(TDB)は9月3日、2021年8月調査の「景気動向調査(全国)」を公表しました。それによれば、新型コロナ感染者数の急増で景気に急ブレーキがかかったほか、豪雨や長雨の影響も下押し圧力、個人消費関連は大きく落ち込みました。

調査結果のポイント

  • 8月の景気DIは前月比1.5ポイント減の39.2となり、3カ月ぶりに悪化した。国内景気は、感染者数急増に記録的大雨の影響も加わり、一時的な足踏み状態となった。今後は、緊急事態宣言等で一時停滞するものの、緩やかな回復が続くと見込まれる。
  • 全10業界中、「その他」を除く9業界が悪化した。緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の影響や、各地で悪天候が続いたことで、特に個人消費関連の業種が大きく落ち込んだ。また、自動車工場で減産や稼働停止がみられるなか、「製造」も3カ月ぶりに悪化した。
  • 全10地域が3カ月ぶりにそろって悪化した。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が33都道府県に拡大・延長されたなか、40都道府県で悪化。人の動きが再び抑制され、個人消費関連の落ち込みが目立った。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」すべてが3カ月ぶりにそろって悪化した。
景況感…企業の声(不動産)
現在
  • 住宅ニーズが高い(建物売買)
  • 在宅勤務の影響で、不動産価格が高騰している都内で購入せず、手頃感のある郊外で居住用不動産を購入している(不動産代理・仲介)
  • 賃料減額の要請が複数あり、ネガティブな話が多い(不動産管理)
  • 入居テナントの従業員に感染者がでてきて、業務に支障がある(貸事務所)
  • 新型コロナの影響を受け、テナントなどの需要が減っている(貸家)
先行き
  • 建設、物流、水産業が好調で転入数は安定している(不動産管理)
  • ワクチン接種が進むことによって消費マインドの回復に期待(不動産代理・仲介)
  • 新型コロナの感染拡大と、ウッドショックなどによる住宅価格高騰で景気後退感が大きい(土地売買)
  • 東京五輪の効果も薄れ、新型コロナウイルスの影響だけが残り悪化する(貸家)
  • 不動産市況の見通しは厳しい(建物売買)

オンライン内見約2割、オンライン契約認知率は7割超で過去最高

 リクルートの住まいに関する調査・研究機関「SUUMOリサーチセンター」は9月1日、「2020年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」の結果を公表しました。それによれば、オンライン内見実施者(オフライン内見併用者含む)は約2割となり、またオンライン契約の認知率は73.3%と、過去最高(2018年度以降)になりました。

「2020年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」結果のポイント

 この調査は、2020年度(2020年4月~2021年3月入居者)における賃貸契約者の動向を調査したものです。

約2割の契約者がオンライン内見を実施している(オフライン内見併用者を含む)
  • オンラインのみの内見実施者が13.5%、オフラインとの併用者が6.2%で、合わせると約2割がオンライン内見を利用している。
  • オンラインでのみ内見を実施した人の見学物件数は3.2件と、オフラインでのみ内見を実施した人の見学物件数2.9件と比べ0.3件多い。
オンライン上で完結する賃貸契約の認知率が上昇
  • オンライン上で完結する賃貸契約の認知率が73.3%と、3年間で3割弱から7割以上まで大幅に増加。
  • 「オンライン契約利用経験あり」と回答した人の最高齢は61歳。オンライン契約利用経験者の平均賃料は、88,353円と非経験者の90,563円を下回るものの、最高額30万円の物件までの事例あり。
物件に求める条件「通勤・通学時間」「間取り」などに変化。リモートワーク実施者は、非実施者と比べ「面積<広さ>」が「決め手になった」と回答
  • 決め手となった項目では、「初期費用」「通勤・通学時間」が昨年と比較して5ポイント以上も減少、「間取り」は2ポイント以上増加。やむを得ずあきらめた項目では「間取り」「最寄り駅からの時間」「設備・仕様」「生活利便性」が4ポイント以上減少。
  • リモートワーク実施者の「決め手となった項目」では、「面積<広さ>」がリモートワーク非実施者と比べ11.6ポイント多い。
ペット飼育者は物件探しの期間が長い
  • ペット飼育者の物件を探し始めてから契約までの期間は、ペット非飼育者と比べ、平均8日多い。ペット飼育者の平均賃料は105,847円と、ペット非飼育者と比べ、17,505円高い。
  • ペット飼育者の「決め手となった項目」は非飼育者と比較して、「設備・仕様」「路線・駅やエリア」「最寄り駅からの時間」が5ポイント以上少ない。
 

コロナ禍での引っ越し事情、1位:節目、2位:不具合、3位:隣人

 「SUUMO引っ越し見積もり」は9月1日、直近1年以内に引っ越し会社を利用して引っ越した人を対象に行ったインターネット調査の結果を公表しました。それによれば、引っ越したい」と思った瞬間ランキングは、1位:入学・入社・転職などのライフイベントの節目、2位:住んでいる家に不具合が起こったとき、3位:隣人が苦手な人だったとき、などとなりました。


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「SUUMO引っ越し見積もり」利用者に調査

 この調査は、コロナ禍のもとでの引っ越し事情を探るのが狙い。2021年3月中旬に実施し、18~69歳の男女3,133人人から回答を得ました(有効回答)。調査対象は、直近1年以内に引っ越し会社を利用して引っ越しし、かつ「引っ越し先の物件選び・荷造り・引っ越し会社への見積依頼・引っ越し会社の決定」のすべてに関与した人です。
 回答のポイントを、順位にそって紹介すると、次のようになります。調査結果について「具体的なコメントを見ていくと、きっかけが何であろうと、少なからず『コロナ禍での暮らしの変化』が垣間見られた。また、コロナ前には想像しなかった理由で引っ越しを考える人が増えていることがわかる」としています。

1位…入学・入社・転職などのライフイベントの節目
  • 娘が他県の中学に入学。県をまたいでの長時間の電車通学はコロナの感染リスクが高くなるため、学校の近くに引っ越した(中国エリア/女性/40代)
  • コロナの影響で、転職するために引っ越した。郊外のほうが広い家で暮らせるし、転職もうまくいってよかったです(中部エリア/女性/50代)
  • 結婚を機に引っ越し。転職もして収入が減ったので、しっかり貯蓄ができるよう、家賃の安いところへ引っ越した(北海道エリア/女性/10-20代)
2位…住んでいる家に不具合が起こったとき
  • リノベーション済みのきれいな部屋だったが、築40年経って老朽化により給水管が破裂。修理までに時間かかるとのことで引っ越した(近畿エリア/男性/30代)
  • 日当たりが悪く、カビが生えやすい部屋だった。コロナ禍で在宅勤務が続き、夏場のカビだけはどうしても我慢できず、引っ越した(関東エリア/女性/10-20代)
  • 給湯器が壊れ、お風呂に入れなくなったので。コロナが流行り始めた中、赤ちゃんを連れて片道30分かけて銭湯に通うことに限界を感じました(東北エリア/女性/30代)
3位…隣人が苦手な人だったとき
  • 隣人が連日連夜、友人とどんちゃん騒ぎ。何度も管理会社に連絡、警察にも通報したが、一向に改善する見込みがなく、引っ越しを決意(関東エリア/男性/10-20代)
  • 向かいの住人から言いがかりをつけられて不快な気持ちに。その件以降、外に出るたびに不安を感じるようになり、住みにくくなった(東北エリア/女性/10-20代)
  • 30分に1回ベランダでタバコを吸う隣人。洗濯物にニオイが付くし、換気しようと窓を開けるとニオイが部屋の中に入ってくる。家にいる時間が長くなった今、ますます気になるようになり、引っ越すことにした(関東エリア/女性/10-20代)
4位…給料が下がったとき・上がったとき
  • 給料が下がり、賃貸の家賃が相対的に高くなり家計を圧迫し始めたため、もともと考えていた地元への転居を検討している(関東エリア/男性/40代)
  • 夫婦ふたりともボーナスがなくなったり減ったりして収入が下がり、今の家賃を払っていくのがつらくなったので(関東エリア/女性/30代)
  • 二人暮らしには狭いアパートだったが、二人ともテレワークが始まって不満が爆発。そのうち引っ越さなければと話していたが、あるとき給料が上がることが決まり、重い腰を上げるきっかけとなった(関東エリア/女性/30代)
5位…自分よりいい家に住んでいる友人の家に遊びに行った後
  • 前の家は1Kで狭くて暗くてジメジメ。友達が引っ越した新居に行ってみたら、日当たりもよく、広々して良かったので、引っ越しを決意した(近畿エリア/女性/10-20代)
  • 友人の持ち家に行ったら、壁に穴を開けてテレビを壁掛けにするなど快適にカスタマイズしていて、羨ましく思ったので(関東エリア/女性/30代)
  • 同僚が建てた家に行って、テレワークとプライベートの空間を分けられるよう間取りや設備に工夫しているのを見て、家の新築と引っ越しを決意した(近畿エリア/男性/10-20代)

働き方のトレンド、首都圏は「メインオフィス+(時々)テレワーク」へ

 タスは8月31日、8月の「賃貸市場レポート」で、「コロナ後の首都圏住宅市場の見通し」(後編)を公表しました。それによれば、前編で紹介した「コロナ後には9割がたコロナ前のトレンドに戻るのではないか」との見方を、後編でも「企業動向からも同じ結論が導かれる」と検証。ただ、「コロナ禍が数年継続すれば、本格的に地方分散やテレワークの拡充に舵を切る企業が増加する可能性もある」とみています。

タス、住まい選びは若干「サテライトオフィス、テレワーク意識」

 このレポートでは、そうした予測を踏まえて、今後のトレンドは、①「メインオフィス+(時々)テレワーク」、または「メインオフィス+(一部)サテライトオフィス+(時々)テレワーク」に集約されそうだ、②これにともない、住まい選びはメインオフィスへの通勤を主に、若干サテライトオフィスへの出社頻度やテレワーク頻度を意識したものに変わっていくと考えられる」としています。

コロナ後の首都圏住宅市場の見通し(後編)

 前編で、従業員のオフィス回帰希望が高まってきており、テレワークの利用が週1回以下の従業員が過半数に達していることを解説しました。今月は後半として、企業の動向を整理します。そして前編の考察と併せて、今後の住宅市場の見通しについて考察します。
 新型コロナウイルスのパンデミックが始まった後、テレワークを全面的に導入する方針を発表した企業がありました。例えばTwitter社は、希望する社員は永久にテレワークを認める方針を発表しました。日本においても富士通が、全面的にテレワークを導入してオフィス面積を削減する方針を発表し、多くのメディアに取り上げられました。この他、IT系の企業やスタートアップ企業でテレワーク全面導入に踏み切る動きが見られます。一方で、伊藤忠商事のように第1回の緊急事態宣言解除後に早々と全社員出社の方針を打ち出す企業もありました。
 ワクチン接種が先行している米国では、IT業界の巨人であるGoogleやFacebookが、今年中のオフィス再開に向けて動き始めており、テレワークの継続に消極的です。日本においても、ザイマックス不動産総合研究所の「働き方とワークプレイスに関する首都圏企業調査2020年12月」によると、新型コロナウイルス感染収束後に出社を重視すると回答した企業は、2020年8月の39.1%(出社を重視14.7%、どちらかといえば出社を重視24.4%)に対して2020年12月は46.9%(出社を重視18.7%、どちらかといえば出社を重視28.2%)と、コロナ後は以前のようにオフィスでの業務を中心に考える企業が増加傾向にあります。
 実際にコロナ禍が収束していないにもかかわらず、テレワークを取りやめる企業が増加しています。東京商工会議所の「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」によると、第2回の緊急事態宣言下までは7割近かった企業のテレワーク実施率が、第3回緊急事態下では4割弱まで減少しました。背景には、生産性の低下、社員同士のコミュニケーションの低下等のテレワークに関連する諸問題や、ワクチン接種率拡大による安心感などがあると考えられます。このように、企業はテレワーク縮小に動いていることが判ります。労働政策研究・研修機構の「在宅勤務をめぐる動向~現状と課題」によると、規模の小さい会社、テレワーク開始が遅かった会社ほどテレワークを取りやめる傾向があります。Googleが2020年1月3日~2月6日の5週間における該当曜日の中央値を基準に、Googleアカウントのロケーション履歴を有効にしているユーザーデータから人出の変化を算出し発表している「コミュニティモビリティレポート」からも企業に人が戻り始めていることが分かります。これは前編で解説した従業員の動向とも整合しています。
 とはいえ、テレワーク制度がなくなるわけではなさそうです。SMBC日興証券の「大企業マネジメントに聞くコロナ後のオフィス戦略第2弾」によると、コロナ前に比較してテレワーク制度を増やすと回答した会社は増加傾向にあります。前編で解説したように従業員の利用頻度は減少すると考えられますが、テレワーク自体は制度として定着すると考えられます。また、ザイマックス不動産総合研究所の「働き方とワークプレイスに関する首都圏企業調査2021年7月」によると、コロナ前に比較してサテライトオフィスを増やすと回答した企業も増加傾向にありますので、ワークプレイスの多様化も進むことが考えられます。
 企業の動向と従業員の意向を総合すると、コロナ後の働き方は、「メインオフィス+(時々)テレワーク」、もしくは「メインオフィス+(一部)サテライトオフィス+(時々)テレワーク」に集約されそうです。なお、コワーキングスペースなどでの勤務もテレワークに含みます。これにともない住まい選びは、メインオフィスへの通勤を主に、若干サテライトオフィスへの出社頻度やテレワーク頻度を意識したものに変わっていくと考えられます。前編において、コロナ後には9割がたコロナ前のトレンドに戻るのではないかと述べました。本稿で解説したように、企業動向からも同じ結論が導かれます。
 ワクチン接種が進み、コロナ禍が収束するにつれて、控えられていた東京23区への人口移動も回復すると考えられます。政策的に企業を分散させない限り、東京一極集中のトレンドは揺るがないということが、図らずもコロナ禍で証明されることになりました。なお、本稿執筆時点(2021年8月中旬)において、日本でもデルタ株による感染が急激に拡大しています。デルタ株の感染力は非常に強く、ワクチン接種が進み、規制を大幅に緩和していた国においても、再び規制強化が始まっています。前述した米IT大手も、オフィス回帰の延期を発表しました。今後のリスク要因としては、さらに強力な変異種が発生するなどして、コロナ禍が数年継続することです。そのような状況になれば、本格的に地方分散やテレワークの拡充に舵を切る企業が増加する可能性もあるでしょう。

テレビ・温水器の省エネラベル表示、より比較しやすいよう改正

 経済産業省は8月31日、小売事業者表示制度の告示を一部改正し、テレビ受信機と温水機器の省エネラベルを省エネ性能がより詳細に比較できるよう改めたと公表しました。施行2021年10月1日(経過措置期間:2023年3月31日)。

多段階評価制度の見直し

テレビジョン受信機

 これまでのラベルは5段階評価だが、これを41段階の多段階評価に改めた。

水機器(エネルギー種別を問わない省エネ性能の比較)
  • ガス温水機器、石油温水機器、電気温水機器は、エネルギー種別を問わず、東京・大阪の4人世帯を想定した横断的な多段階評価基準(★の点数の付け方)を設定した。これにより、温水機器全体の中での省エネ性能を比較できるように改めた。
  • 温水機器は、使用する地域の外気温度や世帯人数によって一次エネルギー効率が変化し、その変化率も各温水機器(ガス温水機器、石油温水機器、電気温水機器)で異なるため、地域と世帯人数に応じた多段階評価点を算出するためのWebページを作成。ラベル上にこのWebページのQRコードを掲載することで、小売事業者等や消費者が容易に情報を取得できるよう改めた。

年間目安エネルギー料金の表示

テレビジョン受信機

 現在のラベルも年間目安エネルギー料金を表示しているが、新たな測定方法にしたがって算出される年間消費電力量に電気単価を乗じ、「年間目安エネルギー料金」を表示するよう改めた。

温水機器
  • 現在のラベルは年間目安エネルギー料金を表示していないが、各温水機器とも東京・大阪の4人世帯を想定した年間目安エネルギー料金を表示するよう改めた(エネルギー使用量やエネルギー単価は、ラベル上の注意事項に表示する)。
  • 温水機器は、使用する地域の外気温や世帯人数によってエネルギー消費量に差が生じるため、地域と世帯人数に応じた年間目安エネルギー料金を算出するためのWebページを作成。ラベル上にこのWebページのQRコードを掲載することで、小売事業者等や消費者が容易に情報を取得できるよう改めた。
【参考】ラベル表示例(温水機器)
改正前

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改正後

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賃貸に住む外国人への不安、未体験からくる“思い込み”が多い⁉

 在留外国人向けに賃貸仲介・総合サービスを提供しているアットハースは8月31日、賃貸住宅に住む日本人と在留外国人との比較実態調査の結果を公表しました。それによれば、賃貸オーナーの未体験からくる“思い込み”が多く、そう大差のない実態にあるということです。

外国人を敬遠する3大理由…トラブル対応、滞納、生活ルール

 同社はこれまでに2,500名超にのぼる在留外国人の賃貸仲介を実施しており、これにともない、その居住実態も定期的に調査してきています。
 同社によれば、賃貸オーナーが在留外国人を敬遠する3大理由は、1位:トラブルに誰が対処してくれるか(65%)、第2位:家賃の滞納や無断帰国による未払い(61%)」、第3位:生活ルールのトラブルが起きないか(59%)、にあります。
 これらについて同社は、使用言語からくるトラブルや緊急時のコミュニケーションの難しさが根底にあり、不安や不信・懸念につながっていると見ています。

入居審査通過率…外国人にはやや“狭き門”

 日本人・外国人の賃貸実態を、「そもそもどれくらいの割合で賃貸契約ができているのか」という観点から見ると、日本人の83.2%に対し外国人は61.4%と、外国人の方が20ポイント以上も低く、外国人にとって「希望する暮らし」を手に入れることは容易ではない現状にあると言えます。
 ちなみに、アットハースが仲介する在留外国人の入居審査通過率は約82.0%と、日本人とほぼ同水準。これは、同社側でも一次スクリーニング(年収対希望家賃のバランス確認)を実施していること、また大手日系企業の勤務者等が多いといったことが背景となっています。

入居審査通過率の比較


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家賃滞納・未払率…日本人、外国人とも数%

 次に、家賃滞納・未払い率の差はどうでしょうか。日本人1.6%に対し外国人は2.1%。外国人が多いとは言え、全体から見ればともに数%。滞納しそうな人物は、日本人、外国人とも一定数いるものの、単に「外国籍だから」という理由は見つからないとのこと。
 同社は、外国人は入居審査で落ちやすい傾向にあり、その結果、「家賃滞納に至らない層」までを否認してしまっている可能性もあると見ています。

家賃滞滞納率の比較


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多いトラブルは…外国人、家賃滞納は6位

 では、トラブルはどうか。上位3項目を見ると、外国人に目立つのは、言葉や生活習慣などの違いから生じるトラブル。居住人数を無断で増やしてしまうリスクも見られます。しかし、日本人で最も多い「家賃滞納」は、外国人では第6位と相対的に低く、同社ではそもそも「家賃滞納はさほど多くないと考えられる」としています。

トラブル件数の比較


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管理不全な空き家の除却等、2020年度末までに112,435件

 国土交通省は8月25日、2021年3月31日時点での「空き家対策に取り組む市区町村の状況」を公表しました。空家法施行から6年経ち、全国で空き家対策が進んでいます。

調査結果のポイント

 全国の市区町村のうち、空家等対策計画は1,332市区町村(77%)で策定され、法定協議会は907市区町村(52%)で設置されています。法律の施行から2020年度末までに、空家法に基づく措置が、27,322件の特定空家等に講じられています。


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 法律の施行から2020年度末までに、空家法に基づく措置や市区町村による空き家対策によって、112,435件の管理不全な空き家の除却等が進んでいます。


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住宅・建築物の省エネ対策、2050年にはストック平均でZEH水準を確保

 国土交通省は8月23日、経済産業省・環境省との3省による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」の最終とりまとめを公表しました。「2050年に目指すべき住宅・建築物の姿」として、①ストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能を確保する、②導入が合理的な住宅・建築物では太陽光発電等の再生可能エネの導入が一般的となるよう提言しています。

「検討会」最終とりまとめ、2030年新築ZEH確保し、太陽光6割に

 「最終とりまとめ」ではまた、その実現に向け、「2030年に新築される住宅・建築物」は、①ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、②新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されている、こととしています。
 具体的な取り組みとしては、①家庭・業務部門→住宅・建築物における省エネ対策の強化、②エネルギー転換部門→再生可能エネルギーの導入拡大、③吸収源対策→木材の利用拡大を推進する、としています。

概要は次の通り

【1】家庭・業務部門(住宅・建築物における省エネ対策の強化)
①省エネ性能の底上げ(ボトムアップ)
  • 住宅を含む省エネ基準への適合義務化〈2025年度〉
  • 断熱施工に関する実地訓練を含む未習熟な事業者の技術力向上の支援
  • 新築に対する支援措置について省エネ基準適合の要件化
  • ②の取り組みを経て)
    義務化が先行している大規模建築物から省エネ基準を段階的に引き上げ
  • 遅くとも2030年までに、誘導基準への適合率が8割を超えた時点で、義務化された省エネ基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能(※)に引き上げ
    ※住宅:強化外皮基準+一次エネルギー消費量▲20%
     建築物:用途に応じ、一次エネルギー消費量▲30%または40%(小規模は20%)
②省エネ性能のボリュームゾーンのレベルアップ
  • 建築物省エネ法に基づく誘導基準や長期優良住宅、低炭素建築物等の認定基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能に引き上げ、整合させる。
  • 国・地方自治体等の新築建築物・住宅について誘導基準の原則化
  • ZEH・ZEB等に対する支援を継続・充実
  • 住宅トップランナー制度の充実・強化(分譲マンションの追加、トップランナー基準をZEH相当の省エネ性能に引き上げ)
③より高い省エネ性能を実現するトップアップの取り組み
  • ZEH+やLCCM住宅などの取り組みの促進
  • 住宅性能表示制度の上位等級として多段階の断熱性能を設定
④機器・建材トップランナー制度の強化等による機器・建材の性能向上
⑤省エネ性能表示の取り組み
  • 新築住宅・建築物の販売・賃貸の広告等における省エネ性能表示の義務付けを目指し、既存ストックは表示・情報提供方法を検討・試行
⑥既存ストック対策としての省エネ改修のあり方・進め方
  • 国・地方自治体等の建築物・住宅の計画的な省エネ改修の促進
  • 耐震改修と合わせた省エネ改修の促進や建替えの誘導
  • 窓改修や部分断熱改修等の省エネ改修の促進
  • 地方自治体と連携した省エネ改修に対する支援を継続・拡充 等
【2】エネルギー転換部門(再生可能エネルギーの導入拡大)
①太陽光発電の活用
  • 国や地方自治体の率先した取り組み(新築における標準化等)
  • 関係省庁・関係業界が連携した適切な情報発信・周知、再生可能エネルギー利用設備の設置に関する建築主への情報伝達の仕組みの構築
  • ZEH・ZEB等への補助の継続・充実、特にZEH等への融資・税制の支援
  • 低炭素建築物の認定基準の見直し(再エネ導入ZEH・ZEBの要件化)
  • 消費者や事業主が安心できるPPAモデルの定着
  • 脱炭素先行地域づくり等への支援によるモデル地域の実現。そうした取り組み状況も踏まえ、地域・立地条件の差異等を勘案しつつ、制度的な対応のあり方も含め必要な対応を検討
  • 技術開発と蓄電池も含めた一層の低コスト化
②その他の再生可能エネルギー・未利用エネルギーの活用や面的な取り組み
  • 給湯負荷の低減が期待される太陽熱利用設備等の利用拡大
  • 複数棟の住宅・建築物による電気・熱エネルギーの面的な利用・融通等の取り組みの促進
  • 変動型再生可能エネルギーの増加に対応した系統の安定維持等の対策
【3】吸収源対策(木材の利用拡大)
  • 木造建築物等に関する建築基準の更なる合理化
  • 公共建築物における率先した木造化・木質化の取り組み
  • 民間の非住宅建築物や中高層住宅における木造化の推進
  • 木材の安定的な確保の実現に向けた体制整備の推進に対する支援
  • 地域材活用の炭素削減効果を評価可能なLCCM住宅・建築物の普及拡大

住設市場、新型コロナ感染症対策製品への関心高まる

 矢野経済研究所は8月27日、住宅建材・住宅設備機器市場における分野ごとの現況と将来展望を明らかにしました。それによれば、今後は①抗菌・抗ウイルス、空気環境改善、非接触などの新型コロナ感染症対策製品に関心が集まる、②在宅時間の長期化や在宅勤務の定着により、より快適に生活できる住まいの環境づくりにも関心が集まり、関連製品に対する需要は増加する、と見ています。

矢野経済研究所、40社にアンケート調査

 調査を行ったのは2021年4~7月。2020年度の住宅建材・住宅設備機器市場規模は新型コロナの影響により、新設住宅着工戸数が減少した影響を大きく受け、前年度比減少という結果になりました。
 そうした中、住宅向け建材・設備機器企業40社へのアンケート調査では、「抗菌・抗ウイルス建材」「非接触(タッチレス)水栓」「高機能換気システム」といった製品・機能が注目されていました。

トピックス
  • 今後標準仕様が見込まれる住宅建材・住宅設備機器の機能としては、抗菌・抗ウイルス建材が最も多い。
  • 次いで、非接触(タッチレス)水栓、高機能換気システム、スマート・IoT住宅機器といった製品・機能が多い。
  • ほか、非接触(タッチレス)ドア、在宅勤務用デスク、玄関での洗面化粧台、戸建て用宅配ボックスなどにも関心が向けられている。

大東建託、「住みここち 自治体ランキング」(全国版)など一斉公開

 大東建託は8月25日、「住みここち 自治体ランキング」(全国版)、「住みたい街 自治体ランキング」(同)などを公開しました。

8月25日の公開内容は次の通り。

地場の不動産仲介業における景況感調査、4~6月期は賃貸・売買とも回復に足踏み感

 アットホームは8月23日、2021年4~6月期「地場の不動産仲介業における景況感調査」の結果を公表しました。調査時期は2021年6月11日~24日で、賃貸・売買ともに回復傾向に足踏み感が見られました。

結果のポイント

  • 首都圏・近畿圏の今期業況DIは、賃貸・売買ともに回復傾向に足踏み感。
  • 賃貸では、調査対象14エリア中4エリアの上昇にとどまる。東京23区では単身者の動きの鈍さが業況に響く。
  • 売買では、埼玉県・東京23区・大阪府・兵庫県を除く10エリアで上昇。愛知県を除く13エリアで賃貸の業況を上回るなど相対的に堅調。
  • 需給バランスの変化を調査。賃貸で「供給過多」と感じるのは「シングル向き」が最多で62.4%、売買で「供給不足」と感じるのは「土地」の38.8%が最多。

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都市の総合力、トップ3は大阪市、京都市、福岡市

 一般財団法人森記念財団・都市戦略研究所は8月24日、都市の力を定量・定性データをもとに相対的、かつ多角的に分析し、都市の強みや魅力を明らかにした「日本の都市特性評価2021」を公表しました。それによれば、総合力でトップ3は、1位:大阪市、2位:京都市、3位:福岡市となりました。

「日本の都市特性評価2021」を公表

 調査は、国内138都市と東京23区を対象とし、138都市については政令指定都市、都道府県庁所在地(政令指定都市を除く)、人口17万人以上の都市を対象に実施しました。  トップ3に続き、4位:横浜市、5位:名古屋市、6位:神戸市、7位:仙台市、8位:金沢市、9位:松本市、10位:札幌市となりました。


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■ 詳しくはこちら→PDF「日本の都市特性評価2021」

7月の新設住宅着工、貸家は5.5%増で5カ月連続の増加

 国土交通省は8月31日、7月の新設住宅着工戸数を公表しました。それによれば、持家、貸家、分譲住宅がともに増加したため、全体で前年同月比9.9%の増加となりました。うち貸家は5.5%増で、5カ月連続の増加。

総戸数は9.9%増の77,182戸

総戸数

 総戸数は77,182戸で、前年同月比9.9%増、5カ月連続の増加。

利用関係別戸数
  1. 持家:26,071戸(前年同月比14.8%増、9カ月連続の増加)
  2. 貸家:29,230戸(同5.5%増、5カ月連続の増加)
  3. 分譲住宅:21,480戸(同11.0%増、先月の減少から再びの増加)
  • マンション:9,117戸(同9.2%増、先月の減少から再びの増加)
  • 一戸建住宅:12,242戸(同13.1%増、3カ月連続の増加)

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