賃貸住宅オーナー様向け情報

2021.10.15
賃貸経営ニュースダイジェスト

「断熱等性能等級5」と「一次エネルギー消費量等級6」を創設

 国土交通省と消費者庁は9月16日、現行の日本住宅性能の表示基準と評価方法基準に上位等級となる「断熱等性能等級5」と「一次エネルギー消費量等級6」を創設する改正についてパブリックコメントに付しました。意見公募は10月16日で締め切り、12月上旬に公布、2022年4月から施行する予定です。

12月上旬に公布、2022年4月から施行

 日本住宅性能の表示基準と評価方法基準は、住宅品質確保促進等法に基づく住宅性能表示制度で定めています。
 建設省・経済産業省・環境省による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」が8月下旬に「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」を取りまとめたことを受けて改正するもの。
 ZEH基準を上回るさらなる上位の等級は、今後基準のあり方などを検討のうえ位置付けていくことにしています。

断熱等性能等級5(案)

 次に掲げる基準に適合すること

イ 外皮平均熱貫流率及び冷房期の平均日射熱取得率が、次の表に掲げる地域の区分に応じ、それぞれ同表に掲げる数値以下であること。


 クリックで拡大

ロ 評価方法基準5-1(3)ハ①に掲げる基準に適合すること

一次エネルギー消費量等級6(案)

 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成28年経済産業省・国土交通省令第1号)に規定する基準一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)に対する同省令に規定する設計一次エネルギー消費量(エネルギー利用効率化設備による設計一次エネルギー消費量の削減量のうち太陽光発電設備による削減量及びその他一次エネルギー消費量を除く)の割合が0.8以下であること。

1都3県賃貸住宅市況図、第2四半期は9地域へ増加

 タスは9月30日、2021年9月「賃貸住宅市場レポート」(首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版)を発行し、同7月期の各賃貸住宅指標と第2四半期の1都3県賃貸住宅市況図、また東京23区ハイクラス賃貸住宅の市場動向を公表しました。

概要は次の通り

賃貸住宅指標

 2021年1月以降、東京23区の流動性が減少傾向にあります。これは、東京23区への人口流入の減少に起因しています。


 クリックで拡大

 クリックで拡大
2021年第2四半期1都3県賃貸住宅市況図

 トレンドが上昇を示す地域は、2021年第1四半期の5地域から2021年第2四半期は9地域へと増加しました。下降を示す地域は、2021年第1四半期の21地域から2021年第2四半期は12地域と減少しました。

東京23区ハイクラス賃貸住宅の市場動向

 高級賃貸住宅については、コロナ禍においても賃料を下げることにより稼働率を上げてきた可能性がありますが、東京23区への人口流入減少継続の影響を抑えきれなくなっていると考えられます。

調査した27社の4割で「おとり広告」

 (公社)首都圏不動産公正取引協議会は9月29日、インターネット賃貸広告の一斉調査報告(第9回)を公表しました。それによれば、調査対象342物件のうち25物件(7.3%)、事業者別では27社のうち11社(40.7%)に「おとり広告」が認められました。違反が認められた各社には「その内容に応じて一定の措置を講じる」としています。

首都圏不動産公正取引協議会、342物件のうち7.3%に「おとり広告」

 調査は、「おとり広告」が多い賃貸共同住宅の広告を能動的に調査し、「おとり広告」を排除する狙いで毎年実施しており、ポータルサイト広告適正化部会の構成会社4社(アットホーム、CHINTAI、LIFULL、リクルート)が運営する不動産情報サイトを対象に、今年は5月から6月にかけて実施しました。
 調査対象はサイトに掲載されていた賃貸共同住宅のうち、一定のロジックに基づき、契約済みの「おとり広告」の可能性が極めて高いと思われる342物件を抽出。これらの物件を掲載している事業者27社(43店舗)を対象に実施しました。

調査結果

違反物件数

 調査対象342物件のうち25物件(7.3%)が「おとり広告」と認められた。

違反事業者数

 事業者別では、27社のうち11社(40.7%)に「おとり広告」が認められた。店舗別では、43店舗のうち15店舗(34.9%)の広告に「おとり広告」が認められた。

違反に対する処理

 違反が認められた11社については、その内容に応じて一定の措置を講じる。

賃貸マンションの引っ越し、95.5%が「オンライン内見」に興味

 シンシアは9月22日、1年以内にマンションの引っ越し(賃貸)を検討している30代経営者・役員・会社員111名に対し9月初旬に行った「非対面(オンライン)の不動産賃貸契約」に関するアンケート調査の結果を公表しました。それによれば、回答者の95.5%が「オンライン内見」に興味をもっていました。

調査結果のポイント

  • 1年以内に引っ越しを検討する30代の経営者・役員・会社員の95.5%が「オンライン内見」に興味あり。
  • 66%が「コロナ対策の一環」としてオンライン内見に興味あり。ほか「交通費をかけたくない」「内見場所と現住所がとても離れている」など。

 クリックで拡大
  • 非対面内見の方法は、「web会議」47.2%、「画像・動画でのプレゼン」29.2%など。
  • オンライン上で行いたい賃貸契約工程、「内見の案内受け取り」や「入居申し込み」なども

グリーン住宅ポイント制度、8月末で申請受付が10万戸を突破

 一定の省エネ性能を有する住宅の新築やリフォーム等に、商品や追加工事と交換できるポイントを付与する「グリーン住宅ポイント制度」のポイント申請受付が、8月末時点で累計10万戸を超え、104,004戸となりました。

うち賃貸の累計受付数は3,276件

 国土交通省が9月17日に公表した「8月末時点での実施状況」で、当月の申請受付が37,070戸となり、累計数は104,004戸となりました。発行ポイント数は61,415件・186億4,241万ポイント。
 これらのうち、賃貸の累計受付数は3,276件で、発行ポイント数は累計682戸・6,820万ポイントとなっています。


 クリックで拡大

国交省、マンション管理の適正化を推進する「基本的な方針」策定

 国土交通省は9月28日、新たに開始されるマンション管理計画認定制度の認定基準などを定めた「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」を策定しました。マンションの管理の適正化に関する目標の設定、管理組合によるマンション管理の適正化の推進に関する基本的な指針(認定基準を含む)、マンションの建て替えなどに向けた区分所有者等の合意形成の促進、マンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項などを定めています。

地方公共団体が助言、指導等を行う判断基準と管理計画の認定基準も記載

マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項

 管理組合、国、地方公共団体、マンション管理士、マンション管理業者等の関係者について、それぞれの役割を記載するとともに、相互に連携してマンションの管理適正化の推進に取り組む必要があることを記載。

マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項

 地方公共団体は、国の目標を参考にしつつ、区域内のマンションの状況を把握し、実情に応じた適切な目標を設定することが望ましいことを記載。

管理組合によるマンションの管理の適正化の推進に関する基本的な指針(マンション管理適正化指針)に関する事項

 マンションの管理の適正化のために管理組合と区分所有者等が留意すべき事項等を記載するとともに、地方公共団体が助言、指導等を行う場合の判断基準の目安と管理計画の認定基準を記載。「別紙1」と「別紙2」を参照。

マンションがその建設後相当の期間が経過した場合などにおける当該マンションの建て替えその他の措置に向けたマンションの区分所有者等の合意形成の促進に関する事項

 建設後相当の期間が経過したマンションについて、修繕等のほか、要除却認定に係る容積率特例等を活用した建替等を含め、どのような措置をとるべきかを区分所有者と調整して合意形成を図ることが重要であることを記載。

マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する基本的な事項

 国、地方公共団体、マンション管理適正化推進センター、マンション管理士等は、相互に連携し、ネットワークを整備するとともに、管理組合等に対する必要な情報提供及び相談体制の構築等を行う必要があることを記載。

マンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項

 地方公共団体においては、地域の実情を踏まえた上で関係団体等と連携しつつマンション管理適正化推進計画を策定することが望ましいことを記載し、同計画策定にあたって留意すべき事項を記載。

その他マンションの管理の適正化の推進に関する重要事項

 その他、マンション管理士制度の一層の普及促進や管理計画認定制度の適切な運用等のマンションの管理の適正化の推進に関する重要事項を記載。


 クリックで拡大

事故物件、半数以上が「内容や条件次第で住める」と回答

 特殊清掃や遺品整理を専門に行っているGoodService(名古屋市)は、9月中旬に愛知、岐阜、三重県在住の20代~40代の男女を対象に実施したインターネット調査「事故物件に住むための条件」の結果を公表しました。回答者1,009人の半数以上が内容や条件次第で事故物件に住めると回答したということです。

“否定派”は3割前後、「住んだことがある」「住んでいる」は計3.5%

 同社は調査結果を受け、「リフォームやお祓いで物理的・心理的なイメージチェンジを図っても、事故物件の悪印象を完全に消し去ることは難しいが、事故物件になった経緯や入居の条件を考慮したうえで、自分が納得できるのなら住むという選択も有り得るのかもしれません」とアドバイスをしています。

調査結果のポイント

  • 「物件を選ぶ際(賃貸、購入問わず)、その物件が事故物件かどうか気になりますか?」→8割近くの方が「気になる(事故物件かどうか調べる)」(77.2%)と回答。
  • 「事故物件に住むことができますか?」→「事故物件になった内容次第では住める」(26.9%)、「事故物件でも該当の部屋でなければ住める」(8.7%)、「家賃などの条件次第では住める」(7.3%)と回答。半数以上が内容や条件次第では住めると考えていた。

 クリックで拡大
  • 「事故物件に住む際のメリットは何だと思いますか?」→「家賃が相場よりも安いから」(81.9%)が最も多く、次いで「内装がリフォーム(リノベーション)されていて、きれいなことが多いから」(11.5%)と続いた。8割以上が、相場より家賃が安いことを事故物件に住むメリットだと考えている。

 クリックで拡大
  • 「賃貸で事故物件に住むとしたら、相場より最低で何割ほど安ければ借りますか?」→「3割~5割未満」(23.6%)、「5割~7割未満」(20.9%)となった。一方で、「タダでも住めない」(36.1%)と3割以上あった。
  • 「事故物件を購入するとしたら、相場より最低で何割ほど安ければ買いますか?」→3割~5割未満」(18.8%)、「5割~7割未満」(25.6%)となった一方で、「タダでも買いたくはない」(22.3%)という否定的な回答も2割以上あった。

 クリックで拡大
  • 「新築同様のレベルまでリフォーム(リノベーション)した事故物件ならば、住むことができますか?」→7割以上が「はい」(72.3%)と回答した。
  • 「お祓いをしっかり済ませた事故物件ならば、住むことができますか?」→「はい」(76.5%)が7割以上あった。
  • 「これまでに事故物件に住んだことはありますか?」→「ない」(96.5%)との回答が圧倒的だった一方で、「ある」(2.5%)、「現在住んでいる物件が事故物件」(1.0%)と回答。3.5%が事故物件に住んだことがあったり、現在住んでいた。

緊急事態撤廃後も、“新型コロナ感染防止対策”継続を

 新型コロナでの緊急事態・まん延防止等重点措置が9月30日に全て終了したことを受け、内閣官房は10月1日、終了後も引き続き感染防止に努めるよう、住宅関係団体などに「緊急事態宣言等の終了後の留意事項等」について通知しました。

通知ポイントは次の通り

出勤者数の削減(テレワーク等の徹底)について
  • 「職場への出勤等については、引き続き、人の流れを抑制する観点から、在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の7割削減を目指すとともに、接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を強力に推進すること。
  • 緊急事態措置区域と重点措置区域以外の区域において、在宅勤務・テレワーク、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取り組みを継続すること。
  • 内閣官房が提示するフォーマットに沿った形で、テレワーク等の実施目標及び実績など出勤回避状況を定量的に示すとともに、テレワーク等の推進に向けた具体的な取り組みや工夫を併せて公表すること。
  • 催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項等について(略)
  • 都道府県をまたぐ移動の際の留意事項に係る呼びかけについて(略)

3年以内に起きた自死・事故死、特殊清掃をした自然死などは告知を

 国土交通省は10月8日、「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」での議論を踏まえ、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定したと公表しました。原則として「人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には告げなければならない」としたうえで、賃貸借取引の対象不動産、通常使用する集合住宅の共用部分で発生した「自然死・不慮の死(転倒事故、誤嚥など)以外の死」は「事案発生から概ね3年後は原則として告げなくてもよい」と規定。3年以内に起きた自死・事故死、特殊清掃を行った自然死などは告げるよう求めています

国交省、「人の死の告知に関するガイドライン」を策定

 賃貸を含む不動産取引ではこれまで、対象不動産で過去に生じた人の死について、宅建業者による調査や告知の判断基準がなく、これが取引現場の判断を難しくし、不動産の円滑な流通や安心できる取引を阻害しているとの指摘が出ていました。国交省ではこのため、宅建業者が宅建業法上負うべき義務の解釈について、2020年2月から「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」で検討を始めました。
 ガイドラインは、検討会での議論や2021年5月から6月に実施したパブリックコメントを踏まえて策定。裁判例や取引実務に照らし、現時点で一般的に妥当と考えられることを整理してまとめた内容となっています。

ガイドラインのポイント

【1】調査について
調査の対象と方法
  • 宅建業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、告知書等に過去に生じた事案の記載を求めることで、媒介活動にともなう通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとする。
  • 宅建業者は、原則として、自ら周辺住民に聞き込みを行う、インターネットサイトを調査するなどといった自発的な調査を行う義務はなく、調査を行う場合でも、亡くなった方や遺族等の名誉や生活の平穏に十分配慮する慎重な対応が必要である。
調査に当たっての留意事項
  • 宅建業者は、売主・貸主による告知書等への記載が適切に行われるよう必要に応じて助言する。売主・貸主に、事案の存在を故意に告知しなかった場合等には、民事上の責任を問われる可能性がある旨をあらかじめ伝えることが望ましい。
  • 告知書等により、売主・貸主からの告知がない場合でも、人の死に関する事案の存在を疑う事情があるときは、売主・貸主に確認する必要がある。
【2】告知について①
  • 【原則】宅建業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。
【告げなくてもよい場合】
  1. 賃貸借・売買取引)取引の対象不動産で発生した自然死、日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。※事案発覚からの経過期間の定めなし。
  2. (同)取引の対象不動産、日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死、特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後。
  3. (同)取引の対象不動産の隣接住戸、日常生活で通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死、特殊清掃等が行われた①の死。※事案発覚からの経過期間の定めなし
【3】告知について②
  • 告げなくてもよいとした①~③の場合でも、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要がある。
  • 告げなくてもよいとした①~③以外の場合は、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告げる必要がある。
  • 人の死の発覚から経過した期間や死因にかかわらず、買主・借主から事案の有無を問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主が把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある。
  • 告げる場合は、事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚時期)、場所、死因、また特殊清掃等が行われた場合はその旨を告げる。
留意事項
  1. 亡くなった方やその遺族等の名誉、生活の平穏に十分配慮し、これらを不当に侵害することがないようにする必要がある。このため、氏名、年齢、住所、家族構成や具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。
  2. 個々の不動産取引では、買主・借主が納得し判断したうえで取引が行われることが重要である。宅建業者は、トラブルの未然防止の観点から、取引に当たって、買主・借主の意向を事前に十分把握し、人の死に関する事案の存在を重要視することを認識した場合には特に慎重に対応することが望ましい。

宅建業者数12.7万者に、宅建士は約110万人に増加

 国土交通省は9月29日、令和2年度「宅地建物取引業法の施行状況調査」の結果を公表しました。それによれば、宅地建物取引業者数は7年連続で増加。監督処分件数は減少傾向にあるものの、勧告等の行政指導の件数は依然多い状況が続いています。宅地建物取引士の新規登録者数は近年増加傾向にあり、総登録者数は約110万人になりました。

宅地建物取引業者の状況

 令和2年度末(令和3年3月末)現在の宅地建物取引業者数は、大臣免許が2,675業者、知事免許が124,540業者で、全体では127,215業者となりました。前年度に比べ、大臣免許が72業者(2.8%)、知事免許が1,505業者(1.2%)増え、全体では1,577業者(1.3%)増えました。増加は7年連続。

監督処分等の実施状況


 クリックで拡大

 令和2年度中に、国土交通大臣または都道府県知事が行った宅地建物取引業者に対する監督処分数は、免許取消処分が122件(13件・11.9%増)、業務停止処分が19件(13件・40.6%減)。指示処分が20件(37件・64.9%減)で、合計161件(37件・18.7%減)となりました。

宅地建物取引士登録者数の状況

 新たに26,602人が宅地建物取引士の登録を行い、これにより総登録者総数は1,099,632人となりました。


 クリックで拡大
このページの先頭へ