賃貸住宅オーナー様向け情報

2020.3.15
賃貸経営ニュースダイジェスト

1月の新設着工、貸家は17カ月連続の減少

 国土交通省が2月28日に公表した2020年1月の新設住宅着工戸数は持家、貸家、分譲住宅ともに減少したため、全体では前年同月比10.1%の減少となりました。うち、貸家は2.5%減の24,147戸で、17カ月連続の減少。

着工総数も7カ月連続の減少

 当月の新設着工総戸数は60,341戸で、7カ月連続の減少。
 持家は13.8%減の18,037戸で、6カ月連続の減少。また、分譲住宅は14.6%減の17,856戸で、3カ月連続の減少となりました。

テレワークを機に、自宅の作業環境に整えている人が7割

 リクルート住まいカンパニーは2月25日、テレワーク(リモートワーク)の実態把握を目的とした「テレワークに関する意識・実態調査」の結果を一部公表しました。それによれば、テレワークをきっかけに自宅を仕事に適した環境に整えている人は7割、また引っ越しを実施・検討・希望している割合は5割超に上りました。

リクルート住まいカンパニー調査、引っ越し実施・検討・希望は5割超

 調査は関東9都県の20歳~64歳のクエストリサーチモニタの男女に対し、2019年11月下旬にスクリーニング調査(Web調査)を実施。全仕事量のうちテレワークで実施している割合が10%以上の会社員(経営者・役員、正社員、契約社員、派遣社員)、公務員、またはパート・アルバイト、自営業、自由業・フリーランスを対象に同下旬に本調査(同)を実施しました。
 有効回答数はスクリーニングサンプル数が30,093件、本調査サンプル数が1,098件。

調査のトピックスは次の通り

  • 会社員・公務員の17%がテレワークを実施しており、潜在的には45%の実施者を見込む。
  • 少なくとも直近4年間は、年々テレワーク導入者(開始者)は増加している。
  • テレワークの実施理由は、「通勤時間の減少」を挙げる割合が29%と高く、続いて「仕事の集中度向上」「家事と仕事の両立」が上位を占める。
  • テレワークの実施場所としては、リビングダイニング(ダイングテーブル)が39%と最多。
  • テレワークをきっかけに、自宅を仕事に適した環境に整えている割合が70%。自宅内で工夫したことの1位は、「仕事用の資料、PC置き場など収納スペースを整備」。
  • テレワークをきっかけに「引っ越しを実施した」「前向きに引っ越しを検討し始めている」「検討していないが引っ越してみたい」割合は53%。
  • 今後テレワークが促進された場合には、テレワーカーの57%が「通勤時間が長くなっても引っ越しを検討する」との意向を示している。
  • テレワークをきっかけに自宅環境整備と引っ越しの両方を実施した人は、テレワーク実施前の生活満足度が6.2に対し自宅環境整備・引っ越し後の満足度が7.2と向上。

マンション購入、「妥協できないポイント」で「災害に強い」など大きく上昇

 住友不動産などメジャーセブンのマンショントレンド調査(Vol.31)によれば、マンション購入検討理由は、引き続き「資産を持ちたい・資産として有利だと思った」「もっと交通の便の良いところに住みたい」「もっと広い住まいに住みたい」が上位ですが、「どうしても妥協できないポイントの今回結果を5年前と比較すると「災害(台風、水害など)に強い」「資産価値の高いエリアである」といった項目が大きく上昇しました。

上位は引き続き「資産価値」「交通至便」「広い住まい」

 メジャーセブンは、住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンスの大手7社。トレンド調査は全国のマンション購入意向者約77万人を対象に、「新築分譲マンション購入意向者アンケート」を実施しました。

調査結果のポイント

 主な調査結果は次の通りとなっています。

現在マンション購入を検討している理由

 マンション購入検討理由は、「資産を持ちたい・資産として有利だと思った」「もっと交通の便の良いところに住みたい」「もっと広い住まいに住みたい」が前回同様にトップ3。
 「都心に住みたい」「持ち家の方が住まいの質が良いと思う」「セカンドハウスが欲しい」などが前回より上昇。

理想とするマンションのタイプ

 理想とするマンションのタイプも前回と同様、「信頼できる不動産会社が分譲」「信頼できる建設会社が施工」「管理会社が信頼できる」がトップ3。上位9位までが前回と同じ順位となる。

お金をかけてでもこだわりたいポイントの中でも“どうしても妥協できない”ポイント

 “どうしても妥協できない”ポイントは、「駅から近い」「日照や採光が良い」「免震構造など、耐震性が高い」「災害(台風、水害など)に強い」が上位にあがる。

“どうしても妥協できない”ポイントの今回調査と5年前調査の結果比較

 トップ3は、今回調査・5年前の調査ともに「駅から近い」「日照や採光が良い」「耐震性が高い」があがる。5年前調査より今回調査の方の順位が大きく上昇した項目は「災害(台風、水害など)に強い」「資産価値の高いエリアである」があがる。

■詳しくはこちら→PDF「マンショントレンド調査」

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」を閣議決定

 サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約を適正化するとともに、賃貸住宅管理業の登録制度を設ける「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が、3月6日閣議決定されました。

勧誘・契約締結行為を適正化、登録制度を創設へ

 賃貸住宅の管理は、オーナーの高齢化等により、管理業者に委託するケースが増えていますが、管理業務の実施を巡り、管理業者とオーナーあるいは入居者との間でトラブルが増加しています。特にサブリース業者については、家賃保証等の契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し社会問題となっていることから、対応を求められていました。
 法律案の柱は、勧誘・契約時の「賃貸借契約の適正化」と、「賃貸住宅管理業登録制度の創設」(任意制から義務化へ移行)の2つです。

法律案の概要

サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置

 全てのサブリース業者に対し、下記を義務づける。

  • 勧誘時における、故意に事実を告げず、または不実を告げる等の不当な行為の禁止
  • サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の締結前の重要事項説明…等
    また、サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営の勧誘を行う者(勧誘者)も、契約の適正化のための規制の対象とする。
賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設

 賃貸住宅管理業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務づける。
 登録を受けた賃貸住宅管理業者について、下記を義務づける。

  • 業務管理者の選任
  • 管理受託契約締結前の重要事項の説明
  • 財産の分別管理
  • 委託者への定期報告…等

世帯主が25~64歳の世帯で借家比率が上昇

 みずほ信託銀行が発行する「不動産マーケットレポート」は、2月28日発行の3月号で「持ち家と借家の住宅比率に関する近年の動向~25歳から64歳の世帯の借家比率が上昇~」と「東京圏の持ち家・借家別の将来世帯推計」を掲載しています。

「不動産マーケットレポート」が3月号で掲載

 「持ち家と借家の住宅比率に関する近年の動向」では、「近年は世帯主が25~64歳の世帯で借家比率が上昇している」「借家の単独世帯の増加なども影響を与えている」「居住志向に関するアンケートでは、賃貸志向の高まりが見られる」と分析。
 また、「東京圏の持ち家・借家別の将来推計では、東京圏でも全国同様の傾向が見られており、「持ち家世帯は2030年に920万世帯まで減少し、借家世帯は778万世帯まで増加する」と推計しています。

賃貸住宅市場、減少トレンド続き、需要見込める都市部の競争激化へ

 矢野経済研究所は2月26日、国内の賃貸住宅市場を調査し、賃貸住宅新設着工動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。それによれば、2019年度の賃貸住宅新設着工戸数を前年度比85.6%の334千戸と予測。減少トレンドが継続し、入居需要が多く見込める都市部でのシェア拡大競争に向かっていると分析しています。

矢野経済研究所の発表ポイント

市場概況 2019年度の貸家新設着工数は前年度比85.6%の334千戸と予測

 2019年度の国内賃貸住宅市場規模は新設着工戸数ベースで、前年度比85.6%の334千戸と予測する。
 金融機関の融資の厳格化を背景とした新築着工の低迷が続いていることで、2017年度以降、貸家新設着工戸数(国土交通省「建築着工統計」より引用)は減少トレンドが継続している。一方で、主要な賃貸住宅事業者は、地方と比較して人口移動が多い都市部に集中した営業戦略を取っていることから、今後も賃貸住宅の入居需要が多く見込める都市部地域でのシェア拡大競争が継続していくものと考える。

注目トピック コンセプトやテーマ性のある良質な賃貸住宅がトレンドに

 住まい方のコンセプトやテーマ性を備えた良質な賃貸住宅の供給が進んでいる。女性目線や子育てといったコンセプトなど住まい方や入居者像を絞った賃貸住宅が供給されることで、賃貸住宅への積極的な入居需要が掘り起こされ始めている。
 賃貸住宅事業者は、今後、賃貸住宅に日常生活を豊かにする工夫や特徴を持たせて物件力を強化し、長期的に安定した入居率を維持することが出来る賃貸住宅商品の開発を進めていかなければならない。

将来展望 2020年度は前年度比90.1%の301千戸と予測

 貸家新設着工戸数の減少トレンドは引き続き継続しており、2020年度の賃貸住宅市場規模を新設着工戸数ベースで、前年度比90.1%の301千戸と予測する。
 人口・世帯数が減少し、入居需要の拡大が進まない地方を中心に、今後も貸家新設着工戸数の減少は続く見通しである。一方で、地方と比較すると都市部においては依然として新築の賃貸住宅入居需要は底堅いものがあるため、賃貸住宅事業者は入居が見込めるエリアにおける積極的な営業、競合他社との差別化提案は、市場シェア獲得のために今後ますます強化する必要がある。
 また、築30年以上の賃貸住宅の多くは好立地に建築されているケースが多いが、将来的に建て替えを検討するタイミングに差し掛かっている。賃貸住宅事業者はオーナーに対して、入居率の維持向上や収支改善のために、建て替えを選択肢の一つとして提案する必要がある。更に、賃貸住宅以外の不動産と組み合わせた複合的な提案や資産の組み替えによる新たな提案を強化していく必要があると考える。

<貸家新設着工戸数推移・予測>


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