賃貸住宅オーナー様向け情報

2021.3.1
賃貸経営ニュースダイジェスト

2020年全宅連・全宅保証調査、「賃貸派」が過去最多の25.5%へ増加

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会と(公社)全国宅地建物取引業保証協会は2月17日、2020年「不動産の日(9月23日)アンケートの結果を公表しました。それによれば、賃貸派はこの7年間で最多の25.5%へと増えました。賃貸に住む理由(複数回答)では、「(持ち家は)税金が大変」(37.1%)、「住宅ローンに縛られたくない」(36.6%)が多く、次いで「天災時のリスク」(30.2%)となりました。新型コロナ禍にともなう住み替えの検討・実施では、郊外への動きがやや多くなりました。

新型コロナ禍、郊外への住み替えがやや増加

 この調査は、ホームページを活用して2020年9月23日~11月30日に実施し、全国から24,863件の有効回答を得ました。
 賃貸面からみた主なポイントは次の通りです。

持ち家派か賃貸派か
持ち家派or賃貸派(現居住形態問わず)
  • 持ち家派は74.5%と全体の約4分の3を占めている。持ち家派の理由では、「家賃を支払い続けることが無駄に思えるから」が50.2%と最も多く挙げられた。
  • 賃貸派の理由としては、「税金が大変だから」が37.1%と最も多かったが、「住宅ローンに縛られたくないから」が36.6%と、その差はわずか0.5%だった。

持ち家派か賃貸派か


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住宅購入重視点/賃貸重視点
  • 住宅購入時に重視する点は、「購入金額」が53.3%、「周辺・生活環境がよい」が43.3%、賃貸時に重視する点は、「家賃」が65.7%と最も多く挙げられた。「購入」、「賃貸」ともに、経済面が重視されている。
  • また、「賃貸」の方が交通の利便性をより重視している傾向にある。
持ち家派(一戸建てマンション・集合住宅含む)の理由(3つまで選択可、持ち家派のみ)
  • 「家賃を払い続けることが無駄に思えるから」が50.2%と最も多く挙げられ、次いで「落ち着きたいから」が31.7%、「持家を資産と考えているから」が28.0%と続き、2019年度の2位と3位が逆転。
  • 2014年度以降、順位の変動はあるものの、上位3つの理由は変わっていない。
  • 「マイホームをもつことが夢だから」は女性や若い年代ほど強い傾向がみられる。
賃貸派(一戸建て/マンション・集合住宅含む)の理由(3つまで選択可、賃貸派のみ)
  • 税金が大変だから」が37.1%と最も高く、次いで「住宅ローンに縛られたくないから」が36.6%と続いている。
  • 「天災が起こった時に家を所有していることがリスクになると思うから」は3年連続でTOP3にランクイン。
  • 20代、30代が40代以上と比べて、仕事等の都合で引っ越しする可能性感じている傾向が強い結果となった。
新型コロナ禍の影響
住み替えの検討
  • 「すでに住み替えた」が3.1%、「住み替えを検討した」が6.3%で、合わせて9.4が住み替えを実施または検討したと回答した。
  • 20代、30代で見ると、1割以上が住み替えを実施または検討したという結果になった。
住み替えを検討・ 実施した居住形態
  • 「持ち家から持ち家(新築)」が25.1%と最も高く、次いで「賃貸から持ち家(新築)」が20.1%と続く。持ち家(新築)の人気が高いことがうかがえる。
  • 性別では、男性は「持ち家から持ち家(新築)」が最多なのに対し、女性は「賃貸から賃貸」が最も多かった。
住み替えを検討・実施した地域
  • 「郊外から郊外」が36.0%と最も高く、次いで「都市部から都市部」が30.6%と続く。都市部よりも郊外への住み替え検討・実施の割合がやや多い結果となった。
住み替えを検討・実施で重視したポイント
  • 「最寄り駅からの距離」が33.3%と最も多く挙げられ、ほぼ同率で「ローンや賃料等、住宅費を抑えること」が33.2と続き、長期的な経済リスクを考慮している傾向がうかがえた。
導入を検討・実施した住まいの設備
  • 「インターネット(Wi-Fi)環境」が30.7%と最も高く、次いで「空気清浄機」が22.3%、「宅配ボックス」が19.8%となった。
  • テレワークが急速に普及したことにより、自宅でのネット環境や空気環境を整える動きや、非接触・非対面での荷物受け取りに対する需要が高まっていることが見受けられた。

「2021年LIFULL HOME'S 住みたい街ランキング」を発表

 LIFULLは2月9日、「LIFULL HOME'S」に掲載された物件のうち、実際の問い合わせ数から算出した「2021年LIFULL HOME'S 住みたい街ランキングを発表しました。発表したのは、首都圏版(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、関西版(大阪府、京都府、兵庫県)、中部版(愛知県、岐阜県、三重県)、それに九州版(福岡県)の4エリアです。

賃貸は「郊外志向」、購入は「都心志向」と「郊外志向」へと二極化

 同社では、「住みたい街ランキング」2021年版のポイントとして、「賃貸ユーザーと購入ユーザーで住まいに対する考え方の違いが顕著になった」と指摘。次の3点を挙げています。

  • 賃貸ユーザーは「郊外志向」、購入ユーザーは「都心志向」と「郊外志向」の二極化。
  • 住み替えのしやすい賃貸ユーザーは、「低家賃」「都内へのアクセスのしやすさ」「ターミナル駅で生活利便性が担保できる」などの理由から郊外化。
  • 新型コロナ収束後を見据える購入ユーザーは、利便性や資産価値重視で都心化。一方で、テレワークの影響で都心暮らしへの必要性が薄れ、資産性が大きく下がらない程度に通勤・通学可能な準近郊のベッドタウンへの関心も高まっており、全体として二極化。

「スマート申込」の管理機能契約加盟店数、全国7,000店を突破

 アットホームは2月8日、オンライン入居申し込みシステム「スマート申込」の管理機能契約加盟店数が、1月末現在で全国7,000店を突破し、7,065店になったと公表しました。

「非対面・非接触」志向の高まりで普及が加速

 「スマート申込」は、2019年8月28日にサービス提供を開始し、2020年に入ってからは非対面・非接触でのコミュニケーションの増加や、住まい探し方法の変化、消費者ニーズの拡大などの影響もあって、管理機能の契約加盟店数が増加しました。

 また、機能の拡充・利便性の向上にも注力したことと、全国を網羅するネットワークが利用できることにより、2020年11月からの約3カ月間で約1,000店増えました。

 同社では今後、今年5月までの10,000店を目指して普及拡大に取り組み、不動産業界の効率化、働き方改革に貢献していく考えです。

デジタル改革関連6法案、閣議決定し今国会提出

 「デジタル社会形成基本法案」などデジタル改革関連6法案が2月9日に閣議決定され、国会に提出されました。うち「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」では、個人情報関係3法の1法への統合やマイナンバー法の改正、さらに押印と書面手続きのデジタル化で関係48法が改正されます。同法案の施行は原則、デジタル庁が発足する今年9月1日。

宅建業法では重説・書面、2022年から電子化へ

 6法案のうち、うちデジタル社会形成の土台となるのは、デジタル社会形成への方向性を規定する「デジタル社会形成基本法案」、内閣にデジタル庁を創設するための「デジタル庁設置法案」、それに行政手続きのデジタル化に向け関連法案を一括で改正する「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」(デジタル関連改正法案)の3法律案です。

 不動産業関連については、関係法律整備法律案の中で、次のような改正が予定されています。

宅地建物取引業法関係(改正施行:公布から1年を超えない範囲内)
  • 重説や契約書への宅地建物取引士の押印を廃止
  • 相手方への承諾を条件に、重説、契約書、媒介契約書のデータ送付(電磁的方法による提供)が可能
マンション管理適正化推進法(2020年6月成立の老朽マンション対策関連法の施行日と同日)
  • 管理受託契約に係る重説等への管理業務主任者の押印の廃止
  • 書面の電子化が可能
借地借家法
  • 定期借地権、定期借家権に係る書面交付の電子化が可能
ほか、土地区画整理法、建物区分所有等法、不動産鑑定評価法、高齢者居住安定確保法律、マンション建替等円滑化法、大規模災害被災地借地借家特別措置法など

相続登記を義務化、違反には過料

 法制審議会の民法・不動産登記法部会は2月2日、「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」を決定し、同10日に法相に答申しました。要綱案の大きな狙いは、国土の2割まで増え、都市再開発や公共事業の支障となっている所有者不明土地を抑制する目的から、「相続の登記」や「氏名・名称、住所の変更登記」を義務化すること。違反すれば過料の対象とする一方、相続を望まないときは国庫帰属できる仕組みも創設します。

所有者不明土地が全土の2割にも、都市再開発・公共事業の大きな妨げ

 政府は今国会での関連法案の成立を目指しており、成立すれば2023年度から施行される見通しです。改正案のポイントは次の5点です。

相続登記の義務化と罰則の制定
  • 相続人が相続・遺贈で不動産取得を知ってから3年以内に登記申請するよう義務化する(違反者は過料<10万円以下>の対象)。
  • 相続開始から3年以内に遺産分割協議がまとまらず相続登記ができないときは、法定相続分による相続登記か、自分が相続人であることを期間内に申請(仮称:相続人申告登記)する。
  • 相続登記や相続人申告登記後に分割協議がまとまり自らが不動産を取得したときは、3年以内に登記する(違反者は過料の対象)。
  • 相続人に対する遺贈による登記や法定相続登記後の遺産分割による登記は、現在定めている他の相続人等との共同申請から、登記権利者が単独で申請できるよう簡略化する。
  • 所有している不動産の一覧情報(仮称:所有不動産記録証明書)を、所有者本人やその相続人が法務局に交付するよう請求できる制度を新設する。
氏名・名称、住所の変更登記の義務化と罰則の制定
  • 所有者である個人や法人氏名・名称と、住所の変更があったときは、2年以内に変更登記申請するよう義務化する(違反者は過料<5万円以下>の対象)。
法務局による所有者情報取得の仕組みの創設

 法務局(登記官)が、住民基本台帳ネットワークシステム、商業・法人登記システムから所有者の氏名・名称、住所の変更情報を取得し、職権で変更登記できる仕組みを設ける(所有者が個人であるときは、本人への意向確認と本人からの申し出を必要とする)。

  • 個人が不動産登記をするときは、生年月日等の情報を法務局に提供するよう義務化する(個人の生年月日は登記簿には不記載。法人は商業・法人登記システム上の会社法人番号等を記載)。
  • 住所が国外にある所有者には、国内の連絡先(第三者を含む)と住所等を申告するよう義務化する。
土地の所有権放棄制度の創設
  • 相続などで土地を取得した者が、その所有権を放棄し、国庫へ帰属させることを可能とする制度を創設する。
  • 対象とする土地は、一定の条件を満たした土地に限定する(建物がない/担保権等が付いていない/土壌汚染がない/境界について争いがない/管理・処分に過分の費用または労力を要しない)。
  • 申請にあたっては、申請時の手数料と、国が10年間管理するのに要する標準的な費用を申請者が納付する。
関連する民法の改正
  • 遺産分割を協議できる期限を、相続開始から10年以内とする(遺産分割がまとまらないときは法定相続とする)。
  • 相隣関係や共有、所有者不明管理命令等、相続財産の管理・清算の見直し。

アットホーム、「内見管理システム」(仮称)を開発へ

 アットホームは2月3日、空室募集から内見、申し込み、重説まで不動産仲介業務をオンライン化する新サービス「内見管理システム(仮称)を開発すると発表しました。提供開始時期は、2021年冬を予定しています。

空室募集から内見、申し込み、重説まで不動産仲介業務をオンライン化

 このシステムは、不動産管理会社・仲介会社間で生じる内見申し込み・管理業務をオンライン化する仕組みで、不動産業務総合支援サイト「アットビービー」(ATBB)を基盤に、不動産会社が日常の業務シーンで活用しやすいシステムを目指す予定です。

 消費者の内見時などで仲介会社が管理会社に内見を申し込む際、これまでは指定する内見申し込み書への記入や名刺の提出を、管理会社が電話やファクス等でやり取りしていますが、この新サービスでは、内見希望者の情報や内見申し込み書、仲介会社の名刺情報、物件の鍵情報などをオンライン化し、アナログなやり取りで生じる不動産会社の業務負担やコスト削減に貢献します。

主な特徴

不動産情報流通プラットフォーム「ATBB」から内見申し込みが可能

 仲介会社は、全国53,000店以上のアットホーム加盟店が利用する「ATBB」から内見申し込みが可能。これにより、ATBBを利用する仲介会社は、物件紹介から内見申し込み、入居申し込みまでを一気通貫で行える。

自社の運用フローに合わせて申込書・名刺などの受け取り方を選べる

 管理会社は、仲介会社から受け取る内見申し込み書や名刺を、自社の運用フローに合わせてデータやファクスなどの受け取り方法を選択できる。アットホームの調査では、内見の予約受け付け時に受領した仲介会社の名刺情報を内見終了後保管している管理会社が8割以上あり、名刺の保管方法は各社で異なるため、新サービスをすぐに業務に取り入れられるよう受け取り方法を選択できる。

■ 詳しくはこちら→PDF「内見管理システム」
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