賃貸住宅オーナー様向け情報

2021.6.15
賃貸経営ニュースダイジェスト

4月の新設住宅着工、貸家は28,825戸で2カ月連続増加

 国土交通省が5月31日に公表した令和3年4月の「建築着工統計調査」によれば、分譲住宅は減少したものの、持家と貸家が増加したため、新設住宅着工総数は前年同月比7.1%増の74,521戸となりました。貸家は28,825戸で前年同月比13.6%増で、2カ月連続の増加。

新設住宅着工戸数は74,521戸で、2カ月連続の増加

総戸数
  • 新設住宅着工戸数は74,521戸で、前年同月比7.1%増、2カ月連続の増加。
利用関係別戸数
  1. 持家:22,877戸(前年同月比8.8%増、6カ月連続の増加)
  2. 貸家:28,825戸(同13.6%増、2カ月連続の増加)
  3. 分譲住宅:22,483戸(同0.3%減、先月の増加から再びの減少)
  • マンションは10,776戸(同 0.5%増、2カ月連続の増加)
  • 一戸建住宅は11,595戸(同0.6%減、17カ月連続の減少)

都道府県別・地域別・都市圏別:利用関係別表


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TDB「景気動向調査」、5月は4カ月ぶりに悪化、人流抑制による影響幅広い業種に波及

 帝国データバンク(TDB)は6月3日、2021年5月「景気動向調査」の結果を公表しました。それによれば、緊急事態宣言などの発令で景況は4カ月ぶりに悪化し、人流抑制による影響が個人消費や関連する幅広い業種に波及していました。

調査結果のポイントは次の通り

  • 2021年5月の景気DIは前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。国内景気は、感染拡大防止対策で人流抑制が図られたことで、4カ月ぶりの悪化となった。今後は、下振れリスクも多く一時的に悪化するものの、徐々に上向いていくとみられる。
  • 10業界中、「建設」「製造」など8業界が悪化。多くの業種で、木材や鉄鋼など材料の不足、その価格高騰による影響がみられた。また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大もあり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった個人消費関連の業種は低水準での推移が続いた。
  • 「北海道」「中国」「九州」など、4カ月ぶりに10地域すべてが悪化した。地域間で景況感の二極化が進み、地域間格差は5.0ポイントへと再び拡大。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域拡大などの影響が幅広く表れた。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって悪化した。

地域別グラフ(2018年1月からの月別推移)


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階段崩落事故の共同住宅、調査対象241件に拡大、うち6件に危険性

 国土交通省は6月1日、八王子市内階段崩落事故の共同住宅の施工者等が関与した共同住宅に係る調査結果等を公表しました。それによれば、調査過程での追加分も含めた対象共同住宅は、東京都と神奈川県内に241件あり、うち6件が劣化等による崩落の危険性があることから、所有者等により鉄製階段を支える仮設の柱(支保工)の設置などの安全対策が進められています。

発表概要

調査結果
  • 国土交通省は、本年4月17日に東京都八王子市内の共同住宅で発生した屋外階段崩落による死亡事故を受け、この共同住宅を施工した則武地所と同社代表者等が関与した屋外階段のある共同住宅について、特定行政庁に、屋外階段の劣化状況等に関する現地調査の実施を要請した。
  • 併せて、危険性があると判断されるものは、特定行政庁から所有者等に改善指導、注意喚起等を行うよう要請した。
  • 調査過程で、代表者等の個人名で建築確認手続きが行われたものが判明。この結果報告された共同住宅は東京都と神奈川県内に241件あった(当初報告166件、追加報告75件)あった。
  • うち6件については屋外階段の劣化等による危険性がみられた。このため、建築研究所等の専門家による現地調査も踏まえ、特定行政庁からの要請に基づき、所有者等により鉄製階段を支える仮設の柱(支保工)の設置など安全対策が進んでいる。
国交省の対応
  • 特定行政庁に、今般報告された共同住宅の所有者等に、以下の対応を求めるように要請した。
  1. 建築士等による詳細調査
  2. 屋外階段(自立する鉄骨造であるものを除く)の改修計画の提出と改修の実施
  3. 改修(恒久措置)完了までの間、当該屋外階段の定期的な点検と特定行政庁への報告
  • 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(愛称:住まいるダイヤル)に次の消費者相談窓口を設置した。

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関東在住の20代社会人のシングル男女、「家賃」「部屋の広さ」ともにアップ傾向

 SUUMOは6月2日、関東在住の20代社会人のシングル男女に聞いた「一人暮らしデータ2021」の調査結果を公表しました。4年前の調査に比べ、「家賃」「部屋の広さ」ともにアップ傾向にありました。

調査結果のポイント

 この調査は、関東地方1都6県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む、20代で一人暮らしの男女、206名(男性103名、女性103名、有効回答数)に、2021年2月22日~24日に実施しました。

国交省、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(ひな形)を策定

 国土交通省は6月7日、賃貸住宅において残置物を円滑に処理するための「残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)を策定したと公表しました。単身高齢者の居住の安定確保を図るのが狙いで、賃借人の死亡後における契約関係と、居室内に残された家財(残置物)が円滑に処理できるよう、「賃貸借契約の解除」と「残置物の処理」からなっています。

単身高齢者(60歳以上の者)の賃貸借契約締結時を想定

 想定される利用場面は、単身高齢者(60歳以上の者)の賃貸借契約締結時で、受任者は①入居者の推定相続人のいずれか、②居住支援法人、管理業者等の第三者(推定相続人を受任者とすることが困難な場合)が望ましいとしています。
 受任者は、賃借人の死亡から一定期間(少なくとも3カ月間)が経過し、かつ賃貸借契約が終了した後に、「廃棄しない残置物」以外のものを廃棄でき、廃棄しない家財は入居者から指定された相手に送付します。
 賃貸人は、入居者の死去を知った際に受任者に通知したり、受任者から開錠や家財搬出等する際の立会いへの協力を求められることがあります。

策定の背景

  • 賃貸住宅においては、賃借人が死亡すると、賃借権と居室内に残された家財(残置物)の所有権は、その相続人に承継(相続)される。このため、相続人の有無や所在がわからない場合、賃貸借契約の解除や残置物の処理が困難になることがあり、特に単身高齢者に賃貸人が建物を貸すことを躊躇する問題が生じている。
  • このような賃貸人の不安感を払拭し、単身高齢者の居住の安定確保を図る観点から、国土交通省と法務省は、死後事務委任契約を締結する方法について検討し、単身高齢者の死亡後に、契約関係と残置物を円滑に処理できるよう、この「モデル契約条項」(ひな形)を策定した。
  • モデル契約条項は、使用が法令で義務づけられてはいないが、利用することにより、合理的な死後事務委任契約等が締結され、ひいては単身の高齢者の居住の安定確保が期待される

概要

想定される利用場面
  • 単身高齢者(60歳以上の者)の入居時(賃貸借契約締結時)
  • たとえば個人の保証人がいる、若年層が賃貸住宅を借りる場合など、賃貸人の不安感が生じにくい場面で利用すると、民法や消費者契約法に違反して無効となる可能性がある。
委任者のやるべきこと
  • 自分が死去後に「廃棄する家財」と「廃棄しない家財」(相続人等に渡す家財)を整理する。
  • 廃棄しない家財は、「リストを作成したり目印となるシールを貼っておく」「受任者に示した一定の場所(金庫等)に保管する」など、廃棄しない家財であることを受任者がわかるようにしておく。
  • また、家財を渡す相手の住所等の送付先についても受任者がわかるように準備する。
賃貸借契約の解除について
  • 受任者に、賃借人の死亡後に賃貸借契約を解除する代理権を授与する。
  • 受任者は、①入居者の推定相続人のいずれか、②居住支援法人、管理業者等の第三者(推定相続人を受任者とすることが困難な場合)が望ましい。
残置物の処理について
  • 受任者に、賃借人の死亡後に残置物の廃棄や指定先へ送付する事務を委任する。
  • 受任者は、賃借人の死亡から一定期間(少なくとも3カ月間)が経過し、かつ賃貸借契約が終了した後に、「廃棄しない残置物」以外のものを廃棄できる。ただし、換価できる残置物は、換価するように努める。廃棄しない家財は入居者から指定された相手に送付する。
  • 賃貸人は、入居者の死去を知った際に受任者に通知したり、受任者から開錠や家財搬出等する際の立会いへの協力を求められることがある。

脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策、新築住宅に省エネ基準義務付け

 「2050年カーボンニュートラル」実現を目指し、有識者・実務者らでつくられた「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」(国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携)は、6月3日に行った第4回会合でとりまとめ素案を提示しました。それによれば、新築住宅に省エネ基準への適合化を義務付けるとともに、売買・賃貸広告に省エネ性能表示制度を導入します。一方、焦点となっていた新築建築物への太陽光発電標準化は見送り(公的施設は標準化)、普及拡大への取り組みを強めます。

売買・賃貸広告に省エネ性能表示制度、新築建築物への太陽光標準化は見送り

 とりまとめ素案のポイント(抜粋、要約)は次の通りとなっています。

家庭・業務部門
2030年における新築の住宅・建築物について平均でZEH・ZEBの実現を目指す
  • 省エネ基準への適合義務化により、省エネ性能を底上げするために基礎となる取り組み(ボトムアップ)
  • 誘導基準やトップランナー基準の引上げとその実現に対する誘導により、省エネ性能を段階的に引き上げていくための取り組み(レベルアップ)
  • 誘導基準を上回るより高い省エネ性能を実現する取り組みを促すことにより、市場全体の省エネ性能の向上、牽引するための取り組み(トップアップ)
ボトムアップの取り組みについて
  • 住宅も含めて省エネ基準適合義務の対象範囲を拡大する。
  • 新築に対する支援措置については、適合義務化に先行して省エネ基準適合を要件化することにより早期の適合率向上を図る。
  • まずは省エネ基準適合義務化が先行している大規模建築物について、省エネ基準を引き上げる。規模別、用途別にエネルギー消費性能の実態等を踏まえて、引上げ水準を検討する。
  • 大規模建築物以外の住宅・建築物についても、順次省エネ性能の実態や建材・設備の普及・コストダウンの状況を踏まえて、基準引上げを検討する。
レベルアップの取り組みについて
  • 建築物省エネ法に基づく誘導基準や長期優良住宅、低炭素建築物の認定基準をZEH・ZEBの水準の省エネ性能に引き上げ、整合させる。
  • 併せて、住宅性能表示制度における断熱性能とエネルギー消費性能について上位等級を設定する。
住宅トップランナー制度の充実・強化
  • 2030年新築平均ZEH・ZEBの目標を踏まえ、ボリュームゾーンのレベルアップの取り組みを拡げるため、住宅トップランナー制度に分譲マンションを追加する。
省エネ性能表示の取り組み
  • 住宅・建築物の販売または賃貸をしようとする際の広告等における省エネ性能に関する表示制度を導入する。
  • 既存の住宅・建築物については、建築時の省エネ性能が不明なものがあることも踏まえ、改修前後の合理的・効率的な表示・情報提供方法について検討する。
既存ストック対策としての省エネ改修のあり方・進め方
  • 耐震性がなく、省エネ性能も著しく低いストックについては、耐震改修と合わせた省エネ改修の促進に加え、省エネ性能の確保された住宅への建替えを誘導する。
  • 耐震性のある住宅ストックについては、熱損失の大きな開口部の断熱改修(ペアガラス化や二重サッシ化など)や日常的に使用する空間の部分断熱改修など、効率的かつ効果的な省エネ改修を促進する。
エネルギー転換部門
  • 国や地方自治体をはじめとする公的機関が建築主となる住宅・建築物について、新築における太陽光発電設備の設置を標準化するとともに、既存ストックや公有地等において可能な限りの太陽光発電設備の設置を推進するなど、率先して取り組む。
  • 民間の住宅・建築物については、太陽光発電設備の設置を促進するため、次に掲げる取り組みを行う。

→ZEH・ZEB、LCCM住宅等の普及拡大に向けた支援を行う。
→PPAモデルの定着に向け、先進事例の創出、事例の横展開に取り組むとともに、わかりやすい情報提供に取り組む。
→パネルの後乗せやメンテナンス・交換に対する新築時からの備えのあり方を検討するとともに、その検討結果について周知普及する。

地価LOOKレポート、令和3年第1四半期は住宅の素地取得回復地区が増加

 国土交通省が公表した令和3年第1四半期の「地価LOOKレポート」(主要都市の高度利用地地価動向報告」によれば、前期に比べ下落地区数と横ばい地区数が減少し、上昇地区数が増加しました。住宅地では、マンションの販売状況が堅調な中、事業者の素地取得の動きが回復している地区が増加しています。

調査結果

概況
  • 令和3年第1四半期の主要都市の高度利用地等100地区における地価動向は、下落が27地区(前回38)、横ばいが45地区(前回47)、上昇が28地区(前回15)となり、前期と比較すると、下落地区数と横ばい地区数が減少し、上昇地区数が増加した。
  • 上昇の28地区は全てが3%未満の上昇となり、13地区が横ばいから移行し、1地区が3%未満の下落から移行した。
  • 0%の横ばいが45地区となり、前回(47)より減少した。
  • 3%未満の下落が23地区(前回33)、3%以上6%未満の下落が4地区(前回5)となり、下落の地区は27地区で前回(38)とより減少した。
  • 変動率区分は72地区で不変、26地区で上方に移行、2地区で下方に移行した。用途別では住宅系が商業系より上昇地区の割合が高くなった。
  • 住宅地では、マンションの販売状況が堅調な中、事業者の素地取得の動きが回復している地区が増加している。
  • 商業地では、法人投資家等による取引の動きが戻り、横ばい・上昇に転じた地区が見られる。新型コロナウイルス感染症の影響により、店舗等の収益性が低下し下落が継続している地区があるものの、下落地区数は減少した。
圏域別
三大都市圏(77地区)
  • 東京圏(43)では、上昇が10 地区(前回6)、横ばいが23地区(前回26)、下落が10地区(前回11)となった。変動率区分が上方に移行した地区は7地区、下方に移行した地区は1地区であった。
  • 大阪圏(25)では、上昇が6地区(前回4)、横ばいが8地区(前回4)、下落が11地区(前回17)となった。変動率区分が上方に移行した地区は7地区、下方に移行した地区は0地区であった。
  • 名古屋圏(9)では、上昇が6地区(前回2)、横ばいが3地区(前回4)、下落が0地区(前回3)となった。変動率区分が上方に移行した地区は7地区、下方に移行した地区は0地区であった。
地方圏(23地区)
  • 地方圏(23)では、上昇が6地区(前回3)、横ばいが11地区(前回13)、下落が6地区(前回7)となった。変動率区分が上方に移行した地区は5地区、下方に移行した地区は1地区であった。
用途別
  • 住宅系地区(32)では、上昇が18地区(前回9)、横ばいが14地区(前回20)、下落が0地区(前回3)となった。変動率区分が上方に移行した地区は11地区、下方に移行した地区は0地区であった。
  • 商業系地区(68)では、上昇が10地区(前回6)、横ばいが31地区(前回27)、下落が27地区(前回35)となった。変動率区分が上方に移行した地区は15地区、下方に移行した地区は2地区であった。

東京の賃貸供給過剰、2020年度は6.5万戸超に拡大

 タスは5月31日、2021年3月期の「賃貸住宅市場レポート」の首都圏版と、関西圏・中京圏・福岡県版を公表しました。首都圏版では、2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大し、ほとんどが東京23区に集中している可能性があるとしています。

ほとんどが東京23区に集中か

概況
  • 2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大した。ほとんどが東京23区に集中している可能性がある。東京23区への人口流入が大きく減少した要因の一つとして、緊急事態宣言などによる経済活動停滞の影響で職が失われたことが考えられる。
  • 厚生労働省の一般職業紹介状況によると、コロナ前は1.4台であった東京都の有効求人倍率(季節調整値、新規学卒者を除きパートタイムを含む)は、2020年7月に1.0を割り込み、それ以降は0.9前後で低迷している。再び人口を増加に転じるには、失われた雇用を回復することが不可欠と言える。
  • 日本でもようやくワクチンの接種が開始された。接種が行きわたる2021年後半以降、経済活動が正常化してくると考えられ、それに遅延して、人口動態もコロナ前の状況に徐々に回帰すると思われる。
賃貸住宅指標
  • 首都圏全域で空室率TVIが悪化傾向になった。特にアパート系の悪化が顕著だが、これは非正規社員や学生がコロナ禍の影響を強く受けていることが要因と考えられる。
  • 関西圏・中京圏・福岡県でも全域で空室率TVIは悪化傾向にあり、首都圏と同様にアパート系空室率TVIの悪化が顕著となっている。
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